Sony(ソニー)は最高のヘッドフォンを作っている。WF-1000XM5もWH-1000XM4もすばらしい。特に後者は、ノイズキャンセリング機能が優れている。アップデートは遅いが、すでにFCCのリストに載ってるという噂もある。どんなに遅くても今だにすばらしいし、すでに1年半もの間、毎日、私の生活を破壊する建設工事の騒音から身を守っている。
同社の最新モデルは、ある意味でそれと正反対のものとなる。Sonyにしては珍しく覚えやすい名前のLinkBudsには、多くの音を通すための大きな穴がある。その中央にあるダイヤフラムに穴が開いており、周囲の音を取り込むことができる。それは、環境を意識して設計された初期のヘッドフォンに通じるものだ。
ヘッドフォンもまた誰にでも合う製品はないし、本製品についてもそういえる。ノイズの除去が最優先の人には向いていない。しかし、デバイス上の音とリアルな世界の環境音を結びつけるアプリケーションである拡張現実(AR)にはうってつけのモデルだ。
これはハードウェア企業がここ数年追究しているテーマでもある。たとえばApple(アップル)には、空間オーディオ機能がある。もちろんSonyには何年も前から360 Reality Audioがあり、それを新しい設計のハードウェアと組み合わせて、ARへの関心の高まりに乗じた魅力的な何かを提供できるという夢がある。そのためにSonyは、Microsoft(マイクロソフト)やゲームを開発しているNianticと協業している。
NianticのArchit Bhargava(アーキット・バルガヴァ)氏は、プレスリリースで次のように述べている。「IngressやポケモンGO、ピクミン ブルームといった私たちのプロダクトは、拡張現実とリアルの世界のゲームプレイを利用して、楽しさと驚きを喚起するものです。音は、どんなエンターテインメントでも、特にユーザーが外の世界を探検するタイプのゲームでは重要なものです。そのため私たちは、LinkBudsの発売を機にSonyとの協業で、私たちのコミュニティにリアルな世界の没入的なオーディオを提供できることにとてもエキサイトしています」。
ARの普及カーブはまだ初期の位置にあり、専用ヘッドフォンがそんなにたくさん売れるとは思えないが、今なら(外部音による)位置認識がメインのセールスポイントになるだろう。しかも、開放的なデザインは耳に装着しやすく、重さはわずか4gだ。それはWF-1000XM5の7.3gよりもかなり軽量で、AirPods Proより1.5gも軽い。
もう1つ興味深いのは、イヤフォン本体ではなく、耳をタップする「Wide Area Tap」というシンプルな機能だ。巨大な穴が開いているイヤフォンにはうれしい機能です。私もこのところSamsungのGalaxy Budsを使っているが、表面積の小さいイヤフォンでは、直接製品をタップするのは難しい。ただ、ランニング時や誤って耳をぶつけたときなどの振動が、こちらの操作にどう影響するかは気になるところだ。
本製品は日本では2月25日発売で価格は税込2万3100円となっている。個人的には、WH-1000XM5を待ちたい。
画像クレジット:Sony
[原文へ]
(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)