噂されている次期iPhone向けの衛星通信機能は、BloombergのMark Gurman(マーク・ガーマン)氏の記事によると緊急時の使用に限定されているようだ。数日前、よく知られているアナリストMing-Chi Kuo(ミン・チー・クオ)氏は記事で次期iPhoneは低軌道衛星通信による通話とメッセージをサポートすると述べていた。しかしガーマン氏の情報源は、Apple(アップル)は少なくとも今はiPhoneを実際の衛星電話にはしないと述べた。衛星通信ネットワークを活用する少なくとも2つの緊急関連機能を開発中、とのことだ。
1つ目の機能は衛星経由の緊急メッセージで、iMessage 、SMSに続くプロトコルとしてメッセージアプリに追加される。社内コードネームはStewieで、ユーザーは電波が届かない場所でも緊急サービスにテキストを送ることができる。これは山中や森の中など人里離れた場所での緊急事態時に特に重宝する機能だ。
衛星通信機能ではまた、受信側のラインに緊急SOSをタイプすることで緊急連絡先にテキストを送ることもできる。メッセージは短い文字数に制限されるが、発信者の連絡先の人にはiPhoneがおやすみモードに設定されていても通知が届く。衛星メッセージは認識しやすいよう、青や緑ではなくグレーのバブルで表示される。ゆくゆくは衛星通信で通話にも対応するようになるかもしれない。
Appleはまた、ユーザーが航空機事故や火事など危機的状況を報告できるという2つ目の衛星通信機能にも取り組んでいると報道されている。このシステムでは、ユーザーは長々と事故を報告でき、そして捜索救難サービスが必要な人がいるか、周辺に武装している人がいるか、といった詳細も尋ねられる。また、自動的に通報者の位置情報と既往歴、年齢、薬の服用、身長・体重などヘルスアプリにある詳細を当局に送ることができる。そして通報者の緊急連絡先に通知することも可能だ。
いずれの機能も有用なようだが、利用できるかどうかは衛星の位置とカバー範囲によって制限される。一部の地域では利用できないかもしれず、またiPhoneが衛星と通信できるところでは屋外に出なければならないケースもあるかもしれない。加えて、ガーマン氏の情報源の人物はこれら機能が年末までに使えるようにはならないだろうと述べた。これは、9月発表が予想されている次期iPhoneではまだ衛星通信を使ってメッセージを送ることはできないことを意味する。
編集部注:本記事の初出はEngadget。Mariella Moon氏はEngadgetの共同編集者。
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画像クレジット:Apple
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(文:Mariella Moon、翻訳:Nariko Mizoguchi)