Googleは先月、モバイルデバイス上で使いにくいサイトをペナライズするランキングアルゴリズムの適用を開始している。これをさして「モバイルゲドン」(mobilegeddon)だとか、これまでの時代の黙示録的終末(mobilepocalyse)だとかいう人もいる。そのような中、Bingもこの動きに沿うような形でモバイルフレンドリーか否かを検索ランキングに反映させる旨をアナウンスした。
この流れは「検索ビジネス」全体を巡る変化の中の一環としてとらえることができるだろう。多くの人が、モバイルアプリケーション内部からの情報検索によりさまざまなコンテンツにアクセスするようになってきている。たとえばFacebookも、サービスの中からさまざまな情報にアクセスできるように進化を続けている。Google検索も、アメリカや日本などの10ヵ国では、コンピューター上からよりもむしろモバイルデバイスから多く利用されている。
検索してもモバイルフレンドリーなサイトが見つからず、利用者が検索エンジンから離れてしまうようなことがあれば、それはGoogleの広告ビジネスの根幹に関わる問題となる。それでGoogleは、モバイルフレンドリーのサイトを優遇するような「最適化作業」を行ったわけだ。
ちなみに、Bingの方はGoogleほどドラスチックな変化を直ちに取り入れるわけではない様子。
Bingでは最近になって、モバイルフレンドリーなサイトに「mobile-friendly」のタグ付に加えている。これに加えて、条件に適合するページのランキングを上げていくことにしているのだとのこと。
Googleのアプローチとの違いは何か。Googleの方は、モバイルフレンドリーでないサイトを「ペナライズ」しているのが大きな違いだ。画面を拡大しないと文字が読みにくいような場合や、ハイパーリンクが近すぎて操作しにくい場合、必要な操作が行いにくかったり、横スクロールが必要なページなどについてペナライズされている。
Bingの方では、モバイルフレンドリーでなくても、関連性の高い情報であれば検索ページ内での位置が下がるように操作されることはないとしている。
ブログ記事から引いておこう。
モバイルデバイスからBingで検索を行った場合、検索した内容と関連性の最も高いものが上位に表示されます。そのページがモバイルフレンドリーでないがゆえに順位を変動させることはありません。モバイルフレンドリーなページのランキングを押し上げるようにはするものの、検索用語との関連性をまず重視して検索結果を表示するということです。「関連性」と「モバイルフレンドリー」の判定バランスは微妙なものであり、アルゴリズム的にはいろいろと手を加えていくことになるでしょう。しかしどうやらうまいバランスで結果を表示することができそうだと考えています。
アルゴリズムの変更を行う前に、Bingの方もGoogle同様にページのモバイルフレンドリー性をチェックするツールを公開するとしている。サイト内でどのページに問題があるのかなどが判定しやすくなるものだ。ツールの方は、数週間以内に公開される予定だとのこと。
モバイルフレンドリーにするために必要な要素は、Googleの求めているものと同じであると考えて良い。ナビゲーションが容易であり、ズームや横スクロールをすることなく内容を読み取ることができ、そしてさまざまなデバイスで表示できることが求められる(Flashなどは使わないこと)。なお、Bingはポップアップの有無なども判定基準として取り入れたいと述べている。
ランキングアルゴリズムをいつから変更するのか、具体的な日時はまだ発表になっていない。「数ヶ月のうちに実施する」ということのようだ。
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(翻訳:Maeda, H)