太陽光発電に融資するLoanpalが約834億円調達、再生エネルギーへの投資の波は続く

億万長者で投資家のChamath Palihapitiya(チャマス・パリハピティヤ)氏が太陽光発電および住宅改修への融資事業を営むSunlight Financialの13億ドル(約1350億円)での買収への関与を発表してから数日後、複数の投資家が再生可能エネルギーおよび住宅改修への別の融資業者であるLoanpal(ローンパル)への約10億ドル(約1043億円)の現金注入を発表した。

Loanpalへの8億ドル(約834億円)のコミットメントは、世界最大の投資家らが気候へのコミットメントを急ぐ動きと歩調を合わせるかたちとなった。

9兆ドル(約940兆円)の投資運用会社であるBlackrock(ブラックロック)のCEOであるLarry Fink(ラリー・フィンク)氏は米国時間1月26日、気候データのより厳格な会計と報告を求める年次書簡を発表した。Bank of America(バンク・オブ・アメリカ)も、国際ビジネス委員会と世界経済フォーラムが承認した気候と持続可能性に関する新しい報告基準に取り組むために他の60社とともに加わった。同氏は、Task Force on Climate Related Financial Disclosures(TCFD、気候関連の財務情報開示に関するタスクフォース)という別の報告スキームも承認した。このスキームは世界最大の金融投資家らが支援している。

こうした新しい基準は、温室効果ガス排出量を削減する企業への投資額を増やすだろう。温室効果ガスは地球全体の気候変動に影響している。そして、エネルギー効率がより高い機器や再生可能な設備への切り替えを奨励する融資プログラムは、金融サービス業界にとっておそらく最も成果を得やすい分野だ。

これがNEA、WestCap Group、Brookfield Asset Management、巨大なプライベートエクイティエネルギー投資ファンドのRiverstone Holdings(リバーストーンホールディングス)などの投資家がLoanpalを支援する理由の1つだ。

戦略的投資家に事業の持ち分を与えるセカンダリートランザクション(株主間の株式売買)だったこの取引は、実際には2020年に完了した。取引の結果、NEAのマネージングゼネラルパートナーであり、投資家としての長い経歴も持つScott Sandell(スコット・サンデル)氏と、WestCap GroupのマネージングパートナーであるLaurence Tosi(ローレンス・トシ)氏が同社の取締役会に加わった。

「私たちは多くのプレイヤーを会社に招待しました」と、Loanpalの創業者で会長兼最高経営責任者のHayes Barnard(ヘイズ・バーナード)氏は述べた。Tesla(テスラ)に買収される前のSolarCity(ソーラーシティ)の元最高収益責任者であるバーナード氏は、太陽エネルギー開発で長い経験を持つ。Loanpalでは投資家になる可能性のある人々の中から選べるだけのバランスシートを持っていた。「私たちは数十億ドル(数千億円)規模の企業です」とバーナード氏は述べた。

Loanpalの創業者で会長兼最高経営責任者のヘイズ・バーナード氏(画像クレジット:Loanpal)

「戦略的投資家を招き、彼らにどこで助けてもらえるか、そして彼らにどのように助けてもらえるかについて考えていたのは私たちです」とバーナード氏は語った。

Loanpalは収益性が高く、負債もなく、投資家に毎月配当している。「現在、私たちはバッテリーシステムと組み合わせた約1万5000のソーラーシステムに月額4億ドル(約420億円)の資金を融資しています」とバーナード氏はいう。同社は2018年の立ち上げ以来、合計で59億ドル(約6140億円)の消費者金融ローンを手がけた。同社はまた、ベンダーであるトップソーラー企業の約85%を顧客に数え、約1万2000人のセールスプロフェッショナルを擁している。

こうした数字により、同社は数十億ドル(数千億円)規模の金融サービス会社であるBlackstoneの元最高財務責任者だったトシ氏のような取締役を迎え入れることができた。「彼は資本市場を大規模に招き入れる方法を本当に理解しています」とバーナードは述べた。

とにかくBlackrock、Blackstone、Riverstone、および名前に石(ストーン)や岩(ロック)が入っていないあらゆる金融サービス会社からの注目は、これが大規模な資本の問題であることを示している。世界経済フォーラムによると、世界経済の脱炭素化は10兆ドル(約1040兆円)規模のビジネスだ。または、個人投資を行う人々にとっては、米国時間1月26日の株価で約667億ドル(約7兆円)のGamestopに相当する。

「私たちが今、参入しようとしている短期の市場は、1000億ドル(約10兆4000億円)の市場である持続可能な家庭向けソリューションです」とバーナード氏は述べた。

その10兆ドル(約1040兆円)のかなりの部分は、エネルギー消費を削減するための新しい消費者向け機器とハードウェアの開発・統合からもたらされる予定だ。「バッテリーストレージ市場、スマートサーモスタット市場、ソーラー市場はすべて絡み合い、統合されていると私たちは信じています」とバーナード氏は話した。「全体として最も重要なことは、これがより優れたテクノロジーにすぎないということです。ホワイトハウスに誰がいるかに関係なく、規模は拡大する予定でした。こういったテクノロジーは優れており、住宅所有者のお金を節約します。住宅所有者がやりたいのであれば、これは一種のIQテストです」。

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カテゴリー:EnviroTech
タグ:Loanpal資金調達再生可能エネルギー

画像クレジット:Will Lester/Inland Valley Daily Bulletin / Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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