宇宙空間での作業用に遠隔操作ロボットを開発するGITAIは3月25日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と共同研究契約を締結し、国際宇宙ステーション「きぼう」の日本実験棟模擬フィールドにおいて、GITAIロボットによる宇宙飛行士の作業代替実験を実施したと発表した。
GITAIが開発するのは、宇宙で作業コストを従来の10分の1にすることを目的に開発された作業ロボット。VR端末を使い、遠隔で操作する「テレプレゼンスロボット」だ。GITAIが今回の実験で使用したロボット(6号機)は、宇宙ステーションの限定的なネットワーク環境を前提に、これまでのロボットでは困難だったスイッチ操作、工具操作、柔軟物操作、負荷の高い作業などを1台でこなせる性能をもつという。
実験の結果、GITAIロボットはこれまで人間が行っていた作業の72%を代替することに成功。GITAIとJAXAの共同研究契約は今年度末を期限としており、両社は今後も協力して技術検討と実証実験を行うという。
GITAIは2016年7月の設立。CEOの中ノ瀬翔氏は2013年にインドで起業し、同社を売却した経験を持つ連続起業家だ。同社は2016年9月にSkyland Venturesから1500万円を調達。2017年12月にはANRIと500 Startups Japanから1億4000万円を調達している。