対話的なHTML5サイトや広告を容易に作れるヴィジュアルツールWeb DesignerをGoogleが提供開始

Googleが今日(米国時間9/30)、HTML5で対話的なサイトや広告を作るためのツールWeb Designerのローンチを発表した。同社が今回のローンチを最初にほのめかしたのは6月だったが、その後はずっと動きがなかった。Web Designerは、Googleによれば“プロ級のデザインツール”であり、現在はMac用とWindows用を公開ベータとしてダウンロードできる

Googleは今日の発表声明の中で、Web Designerは広告主たちがモバイルやデスクトップ向けのHTML5広告を容易に作れるために開発した、と言っている。Googleによると、“広告主たちが今日のクロススクリーン体験*にフィットしたコンテンツを容易に作れるためのツールがこれまではなかった”が、 Web Designerは、そういう体験を作れるツールであることを志向している、という。〔*: クロススクリーン, 対応すべき画面の仕様…サイズなど…が非常に多様であること。〕

Web Designerに関しては、広告制作との関連が至る所で強調されているが(たとえばデフォルトのレイアウトはDoubleClickのリッチメディア広告やAdMobのモバイル広告だ)、もちろんもっと一般的な、対話的ページやアニメーションなども作れる。現状では広告でしか使えない機能も一部にはあるが、Googleによると将来的にはこれらのツールもそのほかの目的に使えるようにしていく予定だ。

基本的にWeb Designerはヴィジュアルツールだが、自分でJavaScripやCSSを書いて細部をいじってもよい。むしろ、内蔵のエディタを使ってどんなコードでも書けるし、その結果をすぐに、どんなブラウザの上でもプレビューできる、と言った方がよいだろう。

機能や使い方はこれまでのいろんなヴィジュアルデザインツールとほとんど同じだから、戸惑うことはないだろう。比較的おもしろい機能としては、フリーハンドで描くためのペンツールや、アニメーションを管理するためのタイムラインなどがある。CSS3の機能を利用して3Dのコンテンツも作れるし、ギャラリーや地図やYouTube埋め込みビデオ用の既製品のコンポーネントも多数提供されている。

アニメーションのための中核的機能としては、シーンを一つ一つ作っていけるQuickモードや、ページ上の各要素をさまざまにコントロールできるより高度なモードがある。

これまでのAdobe Muse、Reflowなどには、Web Designerの機能のほとんどが含まれている。でもWeb Designerは無料だから、既成勢力にとって脅威になるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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