建設現場と建設職人のマッチングサービスなどを提供する助太刀は7月2日、スパークス・グループが運営する「未来創生2号ファンド」から約5億円の第三者割当増資による資金調達を発表した。
既報のとおり同社は、4月23日にJA三井リースと工機ホールディングスから約2億円の資金調達を済ませており、総額で約7億円の資金調達となる。
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助太刀といえば、先日の山形沖地震を受けて特設ページを開設したことが記憶に新しい。災害発生後の対応について同社は「今後も災害発生時は、通常有料で提供している機能の開放や災害地域専用の緊急現場募集機能をできるようにしていく予定。すでに全国に7万人の登録者がいる職人のネットワークを活用し、被災地の人手不足の現場にすぐに駆けつけられるような仕組みを作っていきたい」としている。
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今回の資金調達は、プロダクト開発、人材の採用、マーケティング活動に活用にするとのこと。助太刀は、社名と同じマッチングサービス「助太刀」だけでなく、その日の報酬の即時受け取りを可能にするペイメントサービス「助太刀Pay」、傷害保険が付帯する職人向けプリペイドカード「助太刀カード」、請求書払いなどに対応した法人向けマッチングサービス「助太刀ビジネス」などを展開している。
なおペイメント関連では、流通額などは非公開だが、セブン銀行とのアライアンスのおかげで全国で多くの職人に利用されているという。現在は、アプリのリニューアルと独自の与信システムを構築中で、秋ごろから大規模プロモーション打っていく予定と教えてくれた。
具体的にプロダクト開発について同社は、「助太刀と助太刀Pay、助太刀Ads(アプリ内広告)の3つの事業が、アプリリリースから約1年半を経て収益化が始まったところ。今後は調達した資金を生かしてさらなるアプリの改善を進め、アプリの会員数、課金率向上に注力する」。さらに「今後は職人さんを手配する工事会社など、法人向けのプロダクトを拡充させていき、建設業界で働くあらゆる人にとってなくてはならないサービスを目指す」という。
スタッフの増強については同社は、エンジニア、サービスグロースできる人材を強く求めている。加えて、セールス、CS、BizDev、マーケティング、バックオフィスなど全ポジションで人材が足りていない状況で、今後の事業の拡大のためにも全ポジションで採用を進めていきたいとしている。
今回のファンドからの資金調達は、顧客データの共有やファイナンス機能の強化などの狙いがあった前回の調達とは若干意味合いが異なる。この点について同社は次のようにコメントしている。「私たちは『建設現場を魅力ある職場に』をビジョンとして掲げ、IT によって業界構造を再定義し、業界の人手不足問題の解決を目指す。我々は目指すビジョンに共感いただいた投資家に応援してもらっている。今後も事業会社、ファンド問わずここは大事にしていきたい」。
なお、今回の資金調達先である未来創生ファンドとは、スパークスを運営者として、トヨタ自動車と三井住友銀行を加えた3社によるファンド。2015年11月より運用を開始した1号ファンドの規模は総額約135億円で、最終的にはこの3社を加えた計20社からの出資を受けた。
同ファンドは、「知能化技術」「ロボティクス」「水素社会実現に資する技術」を中核技術と位置付けて、米国、英国、イスラエル、シンガポール、日本の約50社に投資。2018年下半期には、新たに「電動化」「新素材」を投資対象とした2号ファンドの運用を開始している。2019年5月末時点の運用資産残高は、1号と2号を併せて1093億円となっているとのこと。