E*TradeやScottradeが取引1回ごとに7ドルから10ドルの手数料を取るのに対して、RobinHoodでは手数料ゼロで株式の売買ができる。今日(米国時間2/27)、RobinHoodは登録済みユーザー16万人に新しいアプリを公開し、限定ベータテストを開始した。「株式取引アプリとして今まででいちばん素晴らしいデザインだと思う。しかしわれわれの強みはそこではない」と共同ファウンダーのVlad Tenevはジョークを飛ばした。
なるほどRobinHoodはスタイリッシュなアプリだが、株式売買が手数料なしで可能だというのは驚きだ。読者は株式売買システムの運営には費用がかかるはずなのに何でそんなことできるのか訝しむだろう。
後で詳しく説明するが、実はRobinHoodはユーザーが株式を取引すること自体から収益を上げている。われわれはScottradeやE*Tradeのせいで1回ごとに手数料を払わねばならないものだと思い込まされていたにすぎない。
RobinHoodの利用の希望者はこちらから登録して招待のメールが届くのを待つことになる。招待されるまでには数週間からことによると数ヶ月かかるかもしれない。RobinHoodは規模の拡大より信頼性の高いサービスにすることを優先しており、顧客の信用度についてきわめて慎重だ。
多くの株式アプリはYahoo FinanceやRobinHoodの初期バージョンのように、株の値動きと会社の財務情報を検索することができるだけだ。あるいは大手証券会社が提供する古典的な手数料ベースのオンライン取引サービスだ。RobinHoodの共同ファウンダー、Baiju Bhattは「慎重に投資戦略を決める場合にはデスクトップで情報を集める必要があるだろう。しかし出先や空き時間に株価をチェックし、直感が働いたり、あるいは思いがけない事態が起きていたりして、素早く株を売り買いしたいなら、RobinHoodで数回スワイプするだけですむ」と強調する。[情報開示:VladとBaijuは私の大学時代の友人.]
ユーザーでは値動きに応じて通知をもらうように設定することができる。実際の売買にあたっては株数と売買の別をを入力するだけでよい。RobinHoodはその取引によってユーザーに生じる損益をプレビューする。ユーザーがその内容を確認すると取引が成立する(アニメーションが表示されとサウンドが鳴る)。またセキュリティー対策としてアプリを起動する際にpinコードの入力を求めるよう設定できる。
RobinHoodでは今後ともユーザーに課金する計画はないという。現在、300万ドル以上の運営資金をGoogle Ventures、Index Ventures、Andreessen Horowitz、Rothenberg Ventures、それに少数のエンジェル投資家から得ているが、近々、損益分岐点に達する見込みだ。手数料ベースの信用取引のためにAPIにアクセスを希望するサードパーティーに対する課金や株式取引所がRobinHoodのようなオンライン取引サービスに対し取引高に応じて支払うインセンティブなどによって売上を確保する。
大口投資家にとっては1回10ドル程度の手数料は無視できるが、そんなに金持ちではない個人が少額の投資をする場合、手数料は大きな負担になる。RobinHoodは株式投資の民主化に大きく貢献できるかもしれない。
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)