政府機関および民間企業を対象に、暗号資産犯罪やマネーロンダリングの検知・防止のための調査・コンプライアンスソフトウェアを提供するブロックチェーン分析企業Chainalysis(チェイナリシス)は6月28日、シリーズEラウンドにおいて、1億ドル(約110億6800万円)の資金調達を実施したと発表した。
引受先は、リードインベスターのCoatue、既存出資企業のBenchmark、Accel、Addition、Dragoneer、Durable Capital Partners、9Yards Capital、新規出資のAltimeter、Blackstone、GIC、Pictet、Sequoia Heritage、SVB Capital。また同社は、累計調達額が3億6500万ドル(約403億8500万円)、評価額が42億ドル(約4648億6000万円)に到達したと明らかにした。
調達した資金は、以下ビジョンの実現のため使用する。
- データ:より多くの暗号資産を対象とし、DeFi(分散型金融)のような新たなユースケースに焦点を当てることでデータの優位性を深化させる。また潜在的な脅威の兆候をより迅速に特定し、対応までの時間を短縮するために、グローバル・インテリジェンス機能を立ち上げる
- ソフトウェア:同社ソフトウェア・ソリューションに向けてコラボレーション・ツールを開発・実装し、公的機関と民間企業のチームが同じデータセットを使って、一貫した共通理解のもとで共同作業ができるようにする
- アクセス:政府機関、金融機関、暗号資産交換業者(取引所)などが、Chainalysisのデータと企業内の情報を組み合わせ、より良い意思決定ができるように、APIを通じ同社データに直接アクセスできるようにする
Chainalysisは、世界60カ国以上の政府機関、取引所、金融機関、保険会社、サイバーセキュリティ企業にデータ、ソフトウェア、サービス、リサーチを提供。同社データは、調査、コンプライアンス、マーケット・インテリジェンス・ソフトウェアの強化ほか、刑事事件の解決、暗号資産取引における消費者保護に利用されているという。
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