Gmailには数億人のユーザがいて、毎日複数回、メールをチェックしている。そしてAleem Mawaniがうまくやれば、それはFacebookと同じぐらい大きな開発プラットホームになるはずだ。
Mawaniが作ったスタートアップStreakは、Gmailを利用するアプリケーションを作るためのソフトウェア開発キットを作っている。同社のInboxSDKがエクステンションでChromeと統合し、Gmailに変化があったら自動的にアップデートする。ユーザ(主に企業ユーザ)は、Gmailが新たにアップデートされるたびに自分のアプリケーションを変えなくてもよい。
アプリケーションの統合は、Gmailのインタフェイスにシームレスに表示される。それはまるで、Dropboxのファンクションをファイルに加えたときとか、あるいはGiphyの場合のように、gifを検索してメッセージを加えるための小さなボタンが出るときと似ている。エクステンションがロードされると、それがプラットホームの最新バージョンをダウンロードし、そのアプリケーションをGmail内で動かす。
同社によると、Streakを利用してアプリケーションを作っている人は約250万人おり、中にはDropboxのような有力企業もいる。半月前のMawaniの話では230万人だったから、ユーザ数はかなり急速に増えている。DropboxやGiphyのような登録デベロッパは350だが、実際にはもっと多くの企業が使っている。毎週、デベロッパ数は20%増、ユーザ数は30%増だそうだ。
“Gmailがおもしろいのは、Facebookと同じく、人びとが毎日にように使って、ときには一度に数時間も使ってること”、とMawaniは語る。“だから多くの企業がGmailと深く統合しないことの方が、むしろ不思議だ。Gmailという毎日使ってるアプリケーションがあるのに、わざわざ別のところへ(社員等を)行かせる必要はないよね”。
ときどきGmailの変更は大きいが、そんなときでもStreakのチームはアップデートの中身をよく調べて、ユーザのアプリケーションが壊れないようにする。この前「作成」メニューが変わったときは、その対策に4時間もかかった。まあ数分で終るアップデートが多いけどね、とMawaniは言う。
StreakはGmail用のCRMソフトも作っている。かつては、それが同社のメインのビジネスだった。最近それをオープンにすることによって、InboxSDKが作られたのだ。今はGmailだけだが、もうすぐGoogle Inbox用のバージョンも提供するし、さらにはYahoo Mail やOutlookなど、そのほかのメールプラットホームにも対応する予定だ。
Google自身がこういうものを今後実装することもありえるけど、でも、当分はなさそう。Mawaniの説では、Gmailの変化は2か月サイクルだ。彼によると、StreakのようなツールはGmailの顧客に新たな価値を提供しているのだから、Google自身も喜んでいるはずだ、という。
Mawaniはこう言う: “Google自身がGmail SDKを作れば、それは業界にとっても、スタートアップにとっても、そしてうちにとっても、すばらしいことだ。今うちがSDKを作っているのは、Gmailの中で動くアプリケーションを容易に作れるためだ。Google自身がそれを作ったら、うちの(低レベルの)負担が減るよね”。
Streakはサンフランシスコに8名の社員を抱える。2011年のY Combinatorの‘卒業生’で、これまでChris SaccaやGarry Tanなどから200万ドルを調達している。