新たな「ポストサブスクリプションSaaS」の時代に向けて見積から収益へのアプローチを改善するSubskribe

ほとんどのサブスクリプション型SaaSの価格戦略では、一定のシート数のみ使える無料版、より多くのシート数が使えるプロ版、そして大企業を対象としたエンタープライズ版が用意されている。

しかし、その中間に位置する企業、つまり、無料版の10シートの範囲を少しだけ超えるが、プロ版を使う価値があるほどの急成長は望めない企業はどうすればいいのだろうか?

Subskribe(サブスクライブ)は「見積りから収益まで」のプロセスに柔軟性をもたらすスタートアップ企業だ。これまで営業担当者は、ソフトウェアの見積を作成する際に、情報がさまざまな場所に散らばっていると、それらを調整して、サブスクリプションや単発のサービスを請求することが難しい時があった。

同社は、Google(グーグル)に勤務していたDurga Pandey(デュルガ・パーンデー)氏が、元Zuora(ズオラ)のエンジニアリングディレクターだったYibin Guo(イーピン・グオ)氏、元Okta(オクタ)ビジネステクノロジー担当シニアディレクターだったPrakash Raina(プラカシュ・ライナ)氏とともに、2020年に設立した。

「誰もがリカーリングの収益モデルを好みますが、顧客は月額10ドル(約1150円)払えるなら5000ドル(約57万円)のライセンス料を払いたいとは思いません」と、パーンデーCEOはTechCrunchに語った。「この10年間で、SaaSのビジネスモデルは大きく変わりました。以前は、Netflix(ネットフリックス)のサブスクリプションに似ていました。現在のソフトウェアの販売方法は、400分で毎月40ドル(約4600円)を支払う携帯電話のプランによく似ています」。

これに対し、Subskribeのテクノロジーは、適応性の高い見積 – 収益システムとして設計されており、営業担当者は、使用量の増加に応じて割引率を高めたり、創造的なアップセルやクロスセルを追加して、より効果的な取引を構成することができる。

画像クレジット:Subskribe

見積もりから請求までのプロセスの各部分は、ダイナミックオーダーの同じリポジトリーを参照するため、端から端まで統一された体験となる。その結果、企業は自社の成長に合わせて最適化された取引を得ることができ、結局より少ない費用で済むようにもなると、パーンデー氏は続けた。

同社は米国時間2月17日、少数の顧客とともに正式にサービスを開始した。同社は8VCが主導したシリーズAラウンドと、Slow Ventures(スロー・ベンチャーズ)が主導したシードラウンドで、1840万ドル(約21億1000万円)の資金を調達している。このラウンドには、Amplitude(アンプリチュード)、Asana(アサナ)、Coupa(クーパ)、Dialpad(ダイアルパッド)、Okta(オクタ)、Plaid(プレイド)、UiPath(ユニパス)などの企業の財務・業務担当上級幹部が参加した。

パーンデー氏は、この新たな資金をエンジニアリングチームの拡大に充てる他、顧客基盤の拡大と製品開発にも注力することを計画している。

Subskribeは販売開始からまだ4カ月しか経っていないため、同氏は成長の指標についてあまり語ることができなかったが、しかし顧客のパイプラインには契約間近の大手企業がいくつかあると述べている。

「私たちの目標は、この分野におけるデファクトプレイヤーとしての地位を確立し、お客様がお金を稼ぐためのプロセスをあまり気にしなくて済むようになる製品を提供することです」と、パーンデー氏は付け加えた。

画像クレジット:Subskribe / Subskribe co-founders Prakash Raina, Durga Pandey and Yibin Guo

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(文:Christine Hall、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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