新刊「Apple対Google戦争」の著者に聞く―2500億ドル市場をめぐる死闘の記録

ノンフィクション作家のFred Vogelsteinによれば、シリコンバレーの2超大国、GoogleとAppleは2500億ドルに上るコンテンツ市場の支配権を巡って戦争状態にある。

新刊Dogfight: How Apple and Google Went to War and Started a Revolution〔ドッグファイト―AppleとGoogleはどのように戦争を始め、革命を起こしつつあるのか〕で、VogelsteinはAndroidとiOSをめぐる巨人の戦いは将来われわれがデジタル・コンテンツを消費するプラットフォームを決定するものになるという。

過去のApple対Microsoft戦争はパーソナル・コンピューティングの支配権をめぐる競争だったが、その教訓から学ぶなら、この種の戦いは「勝者総取り」となる可能性が高い。そしておそらくどちらかが決定的な勝利を収めることになるだろうというのがVoglesteinの予測だ。

「この戦争はテクノロジー産業全体に巨大な影響を与える。もし戦いが拡大して収拾がつかなくなるようなら政府の介入もあり得る。Googleが勝利してコンテンツ配信においても現在の検索と同レベルの独占を打ち立てるようであれば、反トラスト法適用の機運が高まるだろう」という。

〔日本版〕ただしこの後、Vogelsteinは「反トラスト法の運用は法律的というより高度に経済的、政治的な課題であり、有権者の支持がなければ政権は大掛かりな訴訟には踏み切れない。一般市民の間でGoogleの人気が高ければアグレッシブな反トラスト法の運用は難しくなる」と注意した。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。