新興市場の問題を解決するメキシコの中古車販売ユニコーンKavakが531.7億円を調達、評価額は4385億円

メキシコのスタートアップで、メキシコとアルゼンチンの中古車市場を破壊したKavak(カヴァック)は現地時間4月7日、シリーズDで4億8500万ドル(約531億円)調達したことを発表した。同社の企業価値は40億ドル(約4383億円)だった。わずか数カ月前の2020年10月に同社がユニコーンの地位を確立したラウンドの企業価値11億500万ドル(約1211億円)の3倍以上だ。Kavakはこれでラテンアメリカで企業価値トップ5のスタートアップになった。

ラウンドをリードしたのはD1 Capital Partners、Founders Fund、RibbitおよびBONDで、これでKavakの総調達金額は9億ドル(約986億円)を超えた。Kavakは最近ブラジルで限定公開を開始し、最新ラウンドの資金はブラジル市場への進出などに使用される、とKavakのCEOで共同ファウンダーのCarlos García Ottati(カルロス・ガルシア・オッタティ)氏はいう。同社は60日以内にブラジルで正式公開する、とガルシア氏は述べており、Kavakはラテンアメリカ以外の市場に2年以内に展開することも付け加えた。

「私たちは新興市場の問題を解決するためにあります」とガルシア氏はいう。

Kavakは2016年に設立された中古車市場に透明性と安心と融資をもたらすことを目的としたオンラインマーケットプレイスだ。同社はフィンテック子会社のKavak Capitalを通じて自らも融資を行っており、現在2500名以上の従業員を擁し、メキシコとアルゼンチンに20カ所の輸送・修理ハブがある。

「ラテンアメリカでは、中古車売買の90%が非公式に行われており、その結果40%が不正な価格で取引されています」とガルシア氏はいう。同氏は数年前にコロンビアからメキシコに移住してクルマを購入した際、身を持ってこの問題を経験した。

「私には中古車を買う予算がありましたが、買うための仕組みが近くにありませんでした。買うまでに6カ月かかった上、そのクルマには法律的にも機械的にも問題があり、ほとんどのお金を捨てる結果になりました」と彼は述べた。Kavakは個人からクルマを買い、修理調整して保証をつけて販売している。

「新車を買う代わりに、完全保証付きのもっと良いクルマを買えます。これは実に向上心に満ちたプロセスです」とガルシア氏はいう。会社は目的分野別に4つの会社から成り、市場のさまざまな違いに対応するために、包括的に作られている。

「ここ(ラテンアメリカ)で会社を作るためには、いくつかの会社を立ち上げる必要があります。それは多くの物事がうまくいかないからです」と彼は語った。例えば融資が成功の鍵になっているのはそれが理由だ。

融資はそもそもブラジルでは困難であり、ガルシア氏によると中古車市場にもその基盤がない。とはいえ、ブラジルはラテンアメリカのフィンテックハブであり、Nubank、PagSeguro、Creditas、PicPayなどが先陣を切ったこの分野は過去7~10年に大きく飛躍した。その結果クレジットカードやローンはこの地でも以前よりずっと手に入りやすくなり、Kavak Capitalのライバルとなっている。Kavakはブラジル市場向けにサービスの一部をローカライズしているが(アプリとウェブサイトのポルトガル版など)、市場はよく似ているとガルシア氏はいう。

「ブラジルではメキシコと同じ問題が今もありますが、ブラジルのほうがやや進んでいて、特にフィンテックはメキシコの何光年も先にいます」と同氏は述べた。

ブラジル向け製品の競合を踏まえ、ガルシア氏はすでに他の地域の計画を持っているといったが、名前は明らかにしなかった。

「新興国市場の80%の人たちがまだクルマを持っていません」とガルシア氏は世界市場の大きさを示唆した。「私たちは顧客が同じような問題に直面していて、Kavakがその人たちの生活を大きく変えられるような大きい市場に参入したいと考えています」と付け加えた。

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画像クレジット:Kavak

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(文:Marcella McCarthy、翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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