オンライン中古車マーケットプレイスCarvanaがAdesaの米国オークション事業を2530億円で買収

オンライン中古車マーケットプレイスのCarvana(カーバナ)は、Kar Global(カーグローバル)の米国オークション子会社Adesa(アデサ)を現金22億ドル(約2530億円)で買収することで合意した。買収は、新たな収益源の獲得と、事業強化に役立つ実店舗のネットワーク拡大を目的としている。

第4四半期の決算報告とともに発表されたこの買収は、純粋なオンラインビジネスから、より伝統的な実店舗を持つ自動車ディーラーへの移行を意味する。

現在、Carvanaの顧客は、同社のモバイルまたはウェブアプリでクルマの検討、購入、借入を行うことができる。購入したクルマは、30台ある立体自動販売機で受け取るか、顧客の自宅まで直接配送される。また、同社は15カ所の検査・整備センターを運営し、販売前にクルマの査定と整備を行っている。顧客は所有するクルマを同社に売ることもできる。

米Adesaがもたらす追加の売り上げと物理的な拠点は、Carvanaにとって無視できないほど魅力的で大きな機会のようだ。また、絶好のタイミングでもある。

Carvanaは第4四半期に11万3016台を販売した。売上高は37億5000万ドル(約4313億円)で、前年同期比57%の増加となった。だがその成長率は、2021年末に向かうにつれ成長が先細りとなった事実を覆い隠している。第3四半期の小売販売台数は11万1949台、売上高は35億ドル(約4025億円)だった。

同社はまだGAAPベースで黒字に到達していない。第4四半期の損失は1億8200万ドル(209億円)となり、前年同期の1億5400万ドル(約177億円)から拡大した。しかし、通年では赤字幅はかなり縮小した。2021年の純損失は2億8700万ドル(約330億円)で、前年の4億6200万ドル(531億円)から改善した。

Adesaは56カ所に実店舗を持つ。Carvanaはオンライン販売する車両の検査や整備にAdesaの実店舗を利用できるようになる。Carvanaは、米国Adesaのオークションを引き続き運営すると同時に、Carvanaの標準的な小売検査、整備、物流機能を備えた施設を開発すると、同社は株主宛ての書簡で述べている。

Carvanaによると、米国Adesaの整備事業がCarvanaの生産能力を年間200万台から300万台以上へと押し上げる。

56カ所のネットワークとCarvanaの既存インフラにより、米国人口の78%が検査・整備センターから100マイル(約161キロメートル)圏内に入ることになる。

Carvanaはまた、オークション機能を強化し「自動車業界の多くの大規模かつ重要なプレイヤーとの関係を開始または深化させる」機会を見据えていると株主宛ての書簡で述べた。

さらに、パンデミックによって高騰した中古車販売が下火になった同社にとって、潜在的な収益も重要な要素である。米国Adesaの事業では、同社のサイトを通じて100万件以上の取引を仲介し、2021年に8億ドル(約920億円)以上の売り上げをもたらした。

もちろん、この潜在的な見返りには、Carvanaの運営費用が利益以上に膨らむリスクもある。

Carvanaは、JPMorgan Chase Bank N.A.とCitiから受けた32億7500万ドル(約3766億円)の融資の一部を、今回の買収資金に充当する。残りの10億ドル(約1150億円)は、コミットメント型デットファイナンスを通じて、米国Adesaの56拠点全体の改善に使う。

Adesaの米国におけるオークション卸売事業は、既存のブランド名で運営を継続する。本取引の完了後、米国AdesaのJohn Hammer(ジョン・ハマー)社長とその他の上級幹部は、Carvanaに移籍する。

画像クレジット:Carvana

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(文・Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

カナダのオンライン中古車購入プラットフォームClutchが事業拡大へ約91億円調達

Clutch(クラッチ)は、カナダ最大のオンライン中古車購入プラットフォームになりたいと考えている。2016年に設立された同社は、8000万ドル(約91億円)のシリーズBラウンドを完了したばかりだ。同社はこのラウンドで獲得した資金を、カナダ国内の新しいマーケットに進出するための準備として、チームの拡大、物流機能の拡充、在庫の拡大に充てる。

ClutchのCEOであるDan Park(ダン・パーク)氏は「我々は2023年末までにカナダ人の90%にサービスを提供したいと考えています。そのためには、カナダのいくつかの主要都市でサービスを開始する必要があります。モントリオールやウィニペグなどはカナダの中でも大きな都市であり、最終的には進出する予定です」とTechCrunchに語った。

Clutchは、近年市場に登場した数少ないオンラインカーディーラーの1つだ。オンラインカーディーラー各社は注力する地域を抱える。米国ではCarvanaとVroomが、英国ではCazooが、メキシコではKavakが、それぞれ最大のプレイヤーとなっている。Clutchはトロントに本社を置き、アルバータ州、ブリティッシュコロンビア州、ノバスコシア州、ニューブランズウィック州、オンタリオ州、プリンスエドワード島州でサービスを展開しているが、2022年にはさらにエリアを拡大する予定だ。海外進出よりもカナダ市場に注力することで、Canada Drivesのような競合他社に先駆けて、数十億ドル(数千億円)規模のビジネスチャンスをつかみたいと考えている。

パーク氏によると、Clutchはこれまでに数千台の中古車を販売し、現在は約1250台超の在庫を抱えているという。同社は、過去の債務融資を使って車両を購入し、オークション、個人販売者、フリートなどから調達した車両を210項目におよぶ厳しい再調整プロセスにかけ、その間にClutchの点検・整備部門が車両の安全性と外観をチェックする。その後、一新されたクルマは平台型トラックにのせられ、パーク氏がいう「ボタンをクリックするとクルマがあなたの家の前に現れるという、可能な限り魔法のような方法で」最終消費者に直接届けられる。

D1 Capital Partnersがリードし、Flight Deck Capital、Canaan Partners、Upper90、Real Ventures、GFC、BrandProject、FJ Labsが参加した今回の資金調達ラウンドは、Clutchが2022年中に従業員を約160人から250人超に増員するのに役立つだけでなく、事業拡大に必要なインフラと物流ネットワークの構築にも役立つ。Clutchはカナダ国内に倉庫を持っていて、そこに車を保管し、最短で翌日には納車できるようにしている。

「在庫を増やし、幅広く多様な車種を揃えることが、来年の大きな課題です」とパーク氏は話す。「顧客がClutchのファンであったとしても、もし顧客が走行距離5万キロのスバルの青いOutbackで2018年以降のモデルを本当に探していて、当社にそのモデルの在庫がない場合、顧客がClutchから購入する可能性はかなり低くなります。我々は、できるだけ多くのカナダ人に対応したいと考えています。そのため、在庫を増やして品揃えを充実させることは、来年のことを考えるとき大きなフォーカスであり、間接的な資金の使い道でもあります」。

eコマースはClutchのビジネスモデルの一部にすぎず、売上高の約半分は保証、保険、融資などのフィンテックサービスによるものだとパーク氏は話す。

「我々がここでやろうとしているのは、本当に合理的な体験を提供することであり、これまでその面での垂直統合はあまり行われてきませんでした」とパーク氏は指摘する。「すばらしい自動車購入体験を提供するだけでなく、消費者をサポートし、また一部のケースでは消費者の信用回復に役立つ金融商品の提示などすばらしい所有体験も提供できます」。

Clutchは、事業規模の拡大にともない、ユニットエコノミクスの向上を目指している。同社のビジネスで最もコストがかかるのは、車両の購入と、生産工程を経て車両を手に入れるための物流だ。カナダ国内でさらに規模を拡大すれば、部品の購入、配送トラックの使用、リフトの使用、その他のコストを効率化することができ、いつかはより多くのユニットで償却できるようになる。

Clutchは中古車マーケットプレイスであるため、在庫のうち電気自動車(EV)はごく一部にすぎないが、パーク氏は今後数年でそれも変わってくると考えている。

「我々のモデルは、EVにより適していると確信しています」と同氏は話す。「EVは一般的に再調整が少なくて済みます。ガソリン車の可動部品は2000個ですが、EVは200個で、当然メンテナンスも少なくなります」。

従来のディーラーの多くは、利益率を得るために部品やサービスに大きく依存しているが、Clutchはそこで利益を得ているわけではない。利益率はさておき、Clutchが内燃機関搭載車を販売する際には、そのクルマが送られる地域に3本の木を寄付するとパーク氏は話した。同社はこれまでに約8000本を植林したという。

画像クレジット:Clutch

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

ナイジェリアの自動車テックAutochekがROAM Africaからのオンライン自動車販売Chekiのケニアとウガンダ事業を買収

ナイジェリアの自動車テック企業であるAutochek(オートチェク)は、現地時間9月6日、Ringier One Africa Media(ROAM、リンギアー・ワン・アフリカ・メディア)からCheki Kenya(チェキ・ケニア)とCheki Uganda(チェキ・ウガンダ)を非公開の金額で買収することを発表した。

声明によると、Autochekは今後数週間のうちに取引を確定する予定だ。今回の買収により、Autochekは東アフリカへの進出を完了し、約1年前にChekiからナイジェリアとガーナの事業を最初に買収したのに続くものとなる。

Chekiは2010年に、ケニアのディーラー、輸入業者、個人販売者向けのオンライン自動車販売事業を開始した。ナイロビに本社を置くChekiは、その後、ナイジェリア、ガーナ、タンザニア、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエに事業を拡大した。

その後2017年にROAMに買収され、Jobbermanのようなネットワーク内のオンラインマーケットプレイスやクラシファイドの仲間に加わった。

ROAMのウェブサイトによると、Chekiはまだタンザニア、ザンビア、ジンバブエで事業を行っている。しかし、これらの市場はかなり不活発なため、実質AutochekはChekiの主な事業をすべて完全に買収したといっていいだろう。

Chekiのケニア市場は、双方にとってワクワクする市場だ。この子会社には70万人のユーザーがいて、毎月1万2000台以上の車両を掲載している。また、過去2年間で前年比80%の成長を遂げているとのことで、Autochekの地域拡大計画にとって貴重な資産となっている。

AutochekのCEOであるEtop Ikpe(エトプ・イッペ)氏は「Cheki Kenyaは、常に最重要部門のような存在でした。ナイジェリアとガーナの買収を完了した当時は、このようなことを意識していたわけではありませんでしたが、実現したことはすばらしいことです」とTechCrunchの取材に語っている。

ケニアでは、ナイジェリアやガーナに比べて、自動車金融におけるクレジットの普及率が高い。東アフリカでの普及率は27.5%であるのに対し、西アフリカ全体市場では5%だ。そのため、Autochekが東アフリカ市場を楽観視しているのも納得できる。今回の買収に先立ち、創業1年の同社は、ガーナやナイジェリアと同様の戦略で、ケニアのいくつかの銀行と共同で、クルマの所有者に資金を提供する試験的な取り組みを行った。今回の買収は、この市場における当社の地位を確固たるものにするものだとイッペ氏は述べている。

Chekiがすべての主要市場で事業を1年以内に売却したことから、4つの事業体の業績が悪かったためにROAMは適切な買い手を早く見つけざるをえなかったのではないか、と考える人もいるかもしれない。

しかし、CEOのイッペ氏は、窮地に追いやられたことによる売買の憶測については否定した。今回の買収が立て続けに行われたのは、Chekiが運営していたクラシファイドモデルが、より現代的な取引モデル(Autochekやアフリカの主要な自動車メーカーが採用している)に移行する必要があることを双方が理解していたからだと述べている。そのため、今回の取引をChekiにとって必要な移行であると捉えている。

イッパ氏は過去にRingier(合併前のROAMの1部門)との関係を築いており、Ringierが最終的に買収したクラシファイド型取引会社であるDealDey(ディールディ)を経営していたため、Autochekに会社を売却することは難しい決断ではなかったと、イッパ氏はTechCrunchに語っている。

「彼らにとっては長期的な戦略であり、私たちのビジネスモデルを信じてくれているのだと思います。そして、私たちが将来的に何かを成し遂げられるという希望を持っています。また、このビジネスと従業員にとって適切な場所を見つけてあげるということでもありました」と述べている。

ROAMのClemens Weitz(クレメンス・ヴァイツ)CEOは声明の中で「世界中で、デジタル自動車プラットフォームの新たな進化が見られ、深い専門性が求められています。特にアフリカでは、Autochekこそが、これまでにない消費者体験を生み出すための、最高のチームと専門知識を持ったプレイヤーであると考えています。ROAM Africaにとって、今回の売買は単に良い取引だったというだけではありません。我々の他の事業の戦略的なシナリオにさらに集中することができるようになります」と述べている。

Autochekの東アフリカへの進出はMoove(ムーブ)、Planet42(プラネット42)、FlexClub(フレックスクラブ)などの自動車関連企業が投資家から注目されている最中のことで、アフリカ大陸では柔軟な自動車金融のニーズが高まり続けている。

この大陸で最も重要な自動車金融市場は、間違いなく南アフリカだ。他の自動車会社も何らかの形でこの市場に進出しているが、Autochekもこの市場での事業拡大を計画している。その理由は明らかだ。

南アフリカは、大陸の中でも自動車ローンの普及率が最も高い、最良の市場だ。競争は激しいように見えるが、イッパ氏は、他社とは異なる市場に合わせたサービスを提供する機会が存在すると考えている。

「当社のプラットフォームの良さは、多様性があることです。例えば、我々は小売りやB2Bのアプローチが可能です。ダイナミックなたくさんのやり方ができるのです。だからこそ、すべての地域に進出することを目標とするのは当然のことだと思っています。東と西に進出しましたが、北と南のアフリカでも同じようでありたいと思って活動を続けていきます」と述べている。

Autochekによると、この目標を達成するための資金調達を現在行っており、年内には完了する予定だ。

画像クレジット:Autochek / Autochek

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(文:Tage Kene-Okafor、翻訳:Akiito Mizukoshi)

南アフリカの自動車サブスクリプション会社Planet42がカーボンニュートラルを目指す理由

UberやBoltのような配車サービス企業が交通業界の在り方を覆して以来、彼らの悩みの種となってきたのは交通渋滞と公害だ。調査によると、自家用車よりも配車車両による移動の方が排出量が多いことが示されている。

二酸化炭素排出量を削減して後者の問題を解決するべく、両社はライドシェアリングや、自転車やスクーターのシェアリングサービスといった他の交通モデルの構想を打ち出してきた。また、公共交通機関のスケジュールに合わせたサービス提供や、ドライバーに電気自動車への切り替えを促すインセンティブの提供などにも取り組んでいる。しかし、これらのモデルはほとんど成功していない。

2018年、Lyftはさらに一歩踏み込んで、カーボンニュートラルの実現を宣言した。Atlanticによると、Lyftはサンフランシスコに拠点を置くサステナビリティ企業3Degreesからカーボンクレジットを購入することで、その取り組みを実行する計画を立てた。

Lyftは2019年の一年間で、240万エーカーの木を植樹するのに匹敵する量の炭素を削減したと発表した。同社は206万2500トンのカーボンオフセットを購入してこれを達成したが、2020年には従来の路線に回帰している。

このプログラムによってLyftはカーボンニュートラルを実現したものの、これはコストのかかるプロセスだった。同社は、配車サービスによって排出される正味の炭素排出量は長期的に見て引き続き増加するだろうと主張した。そのためLyftは2030年までに乗車の提供を電気自動車に限定すると宣言した。これは世界中の大半の自動車会社と同じであり、各社とも将来的に電気自動車を通じてカーボンニュートラルを達成することを約束している。

一方、南アフリカに拠点を置く自動車会社Planet42は、カーボンニュートラルを将来的にではなく今現在達成することを目指している。だがPlanet42は配車サービス会社ではない。ディーラーから中古車を購入し、サブスクリプションモデルで顧客に貸し出すサブスクリプションサービスを展開している。

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Marten Orgna(マルテン・オルグナ)氏とEerik Oja(エリック・オジャ)氏によって設立されたPlanet42は、新興市場の個人をターゲットにしているが、その事業展開はアフリカに限定されている。同社はこれまでに南アフリカで3000台近くの車を調達しており、今後数年間で10万台に増やし、2025年までに全世界で100万台にする計画だ。

こうしたことからPlanet42は、配車サービスを提供しておらず、本来ならクルマを所有していない人々にクルマを提供するという点で社会的に大きなプラスの影響を与えているにもかかわらず、そのクルマから生じる排出ガスによって、限定的ではあるが環境上マイナスの影響をもたらしている。

多くの自動車会社はカーボンニュートラルになることに無気力になっているようだが、Planet42は間接的にどのように排出量に貢献するかを検証し、2020年行動に踏み切った。

「カーボンニュートラルになるという目標は価値がないと主張する人はほとんどいないと思いますが、世界はカーボンニュートラルに向けて十分な速さで進んでいないように感じました」とオジャ氏はTechCrunchに語った。「そこで私たちは、2040年までにカーボンニュートラルになるといった空虚な大構想を打ち出すのではなく、現時点でカーボンニュートラルを実現することを決断しました」。

画像クレジット:Planet42

電気自動車はアフリカではほとんど普及しておらず、植林にはコストがかかるが、同社はどのように取り組んでいるのだろうか。

Lyftの植林プロジェクトを支援する前に、3Degreesはいくつかの風力発電所の事業に関わり、また埋立地プロジェクトから温室効果ガスを回収した。Planet 42は風力発電所事業によるカーボンニュートラルの実現を選んだが、この取り組みに向けては南アフリカの現地企業と協力している。

最初のプロジェクトは南アフリカのノーザンケープ州にある風力発電所で、カーボンオフセットクレジットからの資金により、Planet 42はこの発電所に何カ月にもわたって資金の提供をすることができた。風力タービンから発電される電力は、石炭を燃やしたり、低炭素世界経済を支えるなど、他のより有害なエネルギー生産方法を相殺する。

「当社が及ぼすマイナスの影響を相殺するため、当社が事業を展開している市場でカーボンオフセットプロジェクトに投資しています。言い換えれば、当社がカーボンニュートラルに投資することは、自ら課した税に相当します。当社が率先して取り組むことで、アフリカやその他の地域の企業が追随してくれることを願っています」。

融資と株式で2000万ドル(約22億円)を調達した同社が最初にローンチしたときは、カーボンニュートラルを達成することは将来的な構想でさえもなかった。しかし今では、Natural Capital Partnersによってカーボンニュートラル企業として認定されただけでなく、投資家たちがこのプロジェクトに大きな関心を寄せている。

オジャ氏によると、同社の次の目標は、究極的には電気自動車によってカーボンニュートラルを達成することだが、その実現性は十分にあるだろう。アフリカにおける電気自動車の導入は、米国、欧州、さらにはその他の新興市場が抱える問題とは異なる別の問題に直面している。まず電力料金が高く不安定な電力供給が行われているという深刻な燃料上の問題がある。さらに、税制上の優遇措置、補助金、政策が全般的に欠如しているということ、そして平均的なアフリカの自動車所有者には高価すぎるという事実があげられる。

例えば、米国では100万台以上英国では31万7000台以上の電気自動車が走っているが、Planet42の主要な市場であり、アフリカでトップの電気自動車市場である南アフリカではその数は約1000台にとどまっている。したがって、電気自動車が主流になるまでは、風力発電は同社のカーボンニュートラルへの取り組みに欠かせないものとなる。

「理想的には、私たちが実現を目指しているのは当社の車が電気自動車になることであり、それこそが私たちが将来に向けて計画していることです。そうすることで日々のオフセットは必要なくなりますが、私たちはまだそこに至っていません。最終的には電気自動車が理想的であることを誰もが理解しています。しかし、その未来は手元にあるものではないため、今すぐ行動していく必要があります」とCEOは語っている。

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カテゴリー:EnviroTech
タグ:南アフリカPlanet42カーボンニュートラル二酸化炭素中古車電気自動車

画像クレジット:Planet42

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(文:Tage Kene-Okafor、翻訳:Dragonfly)

新興市場の問題を解決するメキシコの中古車販売ユニコーンKavakが531.7億円を調達、評価額は4385億円

メキシコのスタートアップで、メキシコとアルゼンチンの中古車市場を破壊したKavak(カヴァック)は現地時間4月7日、シリーズDで4億8500万ドル(約531億円)調達したことを発表した。同社の企業価値は40億ドル(約4383億円)だった。わずか数カ月前の2020年10月に同社がユニコーンの地位を確立したラウンドの企業価値11億500万ドル(約1211億円)の3倍以上だ。Kavakはこれでラテンアメリカで企業価値トップ5のスタートアップになった。

ラウンドをリードしたのはD1 Capital Partners、Founders Fund、RibbitおよびBONDで、これでKavakの総調達金額は9億ドル(約986億円)を超えた。Kavakは最近ブラジルで限定公開を開始し、最新ラウンドの資金はブラジル市場への進出などに使用される、とKavakのCEOで共同ファウンダーのCarlos García Ottati(カルロス・ガルシア・オッタティ)氏はいう。同社は60日以内にブラジルで正式公開する、とガルシア氏は述べており、Kavakはラテンアメリカ以外の市場に2年以内に展開することも付け加えた。

「私たちは新興市場の問題を解決するためにあります」とガルシア氏はいう。

Kavakは2016年に設立された中古車市場に透明性と安心と融資をもたらすことを目的としたオンラインマーケットプレイスだ。同社はフィンテック子会社のKavak Capitalを通じて自らも融資を行っており、現在2500名以上の従業員を擁し、メキシコとアルゼンチンに20カ所の輸送・修理ハブがある。

「ラテンアメリカでは、中古車売買の90%が非公式に行われており、その結果40%が不正な価格で取引されています」とガルシア氏はいう。同氏は数年前にコロンビアからメキシコに移住してクルマを購入した際、身を持ってこの問題を経験した。

「私には中古車を買う予算がありましたが、買うための仕組みが近くにありませんでした。買うまでに6カ月かかった上、そのクルマには法律的にも機械的にも問題があり、ほとんどのお金を捨てる結果になりました」と彼は述べた。Kavakは個人からクルマを買い、修理調整して保証をつけて販売している。

「新車を買う代わりに、完全保証付きのもっと良いクルマを買えます。これは実に向上心に満ちたプロセスです」とガルシア氏はいう。会社は目的分野別に4つの会社から成り、市場のさまざまな違いに対応するために、包括的に作られている。

「ここ(ラテンアメリカ)で会社を作るためには、いくつかの会社を立ち上げる必要があります。それは多くの物事がうまくいかないからです」と彼は語った。例えば融資が成功の鍵になっているのはそれが理由だ。

融資はそもそもブラジルでは困難であり、ガルシア氏によると中古車市場にもその基盤がない。とはいえ、ブラジルはラテンアメリカのフィンテックハブであり、Nubank、PagSeguro、Creditas、PicPayなどが先陣を切ったこの分野は過去7~10年に大きく飛躍した。その結果クレジットカードやローンはこの地でも以前よりずっと手に入りやすくなり、Kavak Capitalのライバルとなっている。Kavakはブラジル市場向けにサービスの一部をローカライズしているが(アプリとウェブサイトのポルトガル版など)、市場はよく似ているとガルシア氏はいう。

「ブラジルではメキシコと同じ問題が今もありますが、ブラジルのほうがやや進んでいて、特にフィンテックはメキシコの何光年も先にいます」と同氏は述べた。

ブラジル向け製品の競合を踏まえ、ガルシア氏はすでに他の地域の計画を持っているといったが、名前は明らかにしなかった。

「新興国市場の80%の人たちがまだクルマを持っていません」とガルシア氏は世界市場の大きさを示唆した。「私たちは顧客が同じような問題に直面していて、Kavakがその人たちの生活を大きく変えられるような大きい市場に参入したいと考えています」と付け加えた。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Kavakメキシコブラジル中古車資金調達ユニコーン企業

画像クレジット:Kavak

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(文:Marcella McCarthy、翻訳:Nob Takahashi / facebook

英オンライン中古車販売のCazooがニューヨーク証券取引所にSPAC上場へ、評価額は約7728億円

2020年に大規模な資金調達をした英国拠点の中古車販売ポータルCazoo(カズー)はSPAC経由でさらなる成長を追求する次の企業となる。同社は3月29日、ヘッジファンドの第一人者Dan Och(ダン・オック)氏がGlenn Fuhrman(グレン・ファーマン)氏らとの提携のもとに設立した特別買収目的会社AJAX Iとの事業合併を経てニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場すると発表した。

この取引によるCazooの価値は70億ドル(約7728億円)で、ここには追加の新規資金調達16億ドル(約1766億円)が含まれる。新規資金の内訳は、AJAX Iからの現金8億500万ドル(約888億円)と、AJAXのスポンサー並びにCazooの投資家D1 Capital Partnersがリードした8億ドル(約883億円)のPIPE(上場企業の私募増資)だ。PIPEにはAltimeter、BlackRock、Counterpoint Global (Morgan Stanley)、Fidelity Management、Marcho Partners、Mubadala Capital、Pelham Capital、Senator Investment Group、Spruce House Partnershipといった新規・既存投資家も参加する。取引はすでにCazooとAJAX Iの取締役会に承認された。

「今回の発表は、欧州でのクルマの買い方を変革し続ける当社の取り組みにおいて新しい主要マイルストーンです」とCazooの創業者でCEOのAlex Chesterman OBE(アレックス・チェスターマン)氏は声明で述べた。「当社は、デジタル化がかなり浸透していない最大の小売部門で最も包括的で完全に統合されたサービスを創造しました。この取引は、当社の成長を支える資金として約10億ドル(約1103億円)をもたらします。欧州中の消費者に最高の車購入エクスペリエンスを急速に拡大して提供するために、ダンそしてAJAXのチームと提携することをうれしく思います」。

Cazooを創業する前から有名だったチェスターマン氏はCazooのCEOとして残る(同氏はAmazonによって買収され、NetflixのライバルAmazon Prime Video構築に向けた最初のステップとして使われたLoveFilm、それから不動産販売サイトZooplaも創業した)。

「豊作の年」を経て、Cazooは今回の取引による資金を引き続き欧州でのサービス拡大に使う計画だ。2020年同社の売上高は300%成長し、2021年は年間売上高10億ドルに向けて順調だ。主に中古車販売をベースとするビジネスモデルで第一四半期の年間売上高ランレートは6億ドル(約662億円)だが、車サブスクサービスなど売上源を多様化させている。

Cazooの取引は、資本構成表にたっぷりと資金を持っている非公開企業にとって、従来のIPOよりも手っ取り早く次のステップを取るのにユビキタスなSPACが選択肢となることを示している。IPOは時間がかかり、これは企業の財務や時間の制約に合わないかもしれない。あるいは買収されることもあるかもしれない。また、Cazooの取引は米国外に拠点を置く企業が米国の証券取引所に上場するのに、どのようなルートを取っているかも示している。Cazooの場合、そうすることで英国で上場するよりも幅広い投資家にアクセスできるようになる。

SPACとの合併は、ただ資金支援者という以上に、投資家側のレバレッジが財務面、そして戦略面でのコントロールを企業にもやたらすことになる。実際、ダン・オック氏はCazooの役員会に加わる。

「Cazooでアレックス、そしてひと際優れたチームと提携する機会を得ることを非常に喜んでいます。アレックスは欧州で最も成功している連続起業家の1人であることを証明し、このワールドクラスのチーム、ブランド、そしてプラットフォームの成長をサポートすることを誇りに思います」とオック氏は声明で述べた。「Cazooのイノベーション、データ、顧客満足への絶え間ない注力で、同社がこの巨大で手つかずのマーケット機会において引き続き先頭を行くことは間違いなく、Cazooの役員会に加わってアレックス、そして彼のチームと働くことを楽しみにしています」。

しかし合併は、彼らに取って長期的に強固な事業になると思われるところに取り組む別の方法でもある。

「Cazooの長期投資家として、そして同社の経営陣を信じる者として、我々は引き続きCazooの公開企業としての成長をサポートし続けることをうれしく思っています」とD1 Capital Partnersの創業者Daniel Sundheim(ダニエル・サンドヘイム)氏は声明で述べた。「Cazooは戦略の資金を賄うのに多くの選択肢を持っていました。AJAXと合併してダン・オック氏やその他の有名なパートナーに加わるという決断は良いものであり、同社や同社の未来にとってポジティブな意味をもたらすでしょう」。

Cazooの場合、適切な時に適切な場所にいたようだ。

新型コロナウイルスパンデミックでは、英国の人々は店頭での買い物を控え、また他人との接触も減らし、そして移動するのに公共あるいは混み合う交通手段より自分の車を使うことを選んだ。Cazooはデジタルプラットフォームを通じて2万台超のクルマを販売・納車した。

同社は販売ポータルと、現在展開している車サブスクサービスのような他の事業ラインの両方を拡大する計画だ。サブスクは現在、英国、ドイツ、フランスに6000人超の利用者を抱える。同社は2018年に設立され、パンデミック真っ只中だった2020年、4億2700万ドル(約471億円)を調達した。まず2020年3月に1億1600万ドル(約128億円)、そして10月に3億1100万ドル(約343億円)を調達した。2回目のラウンドでは同社の評価額は25億ドル(約2759億円)超で、つまり今回のSPACとの合併では評価額が飛躍的に増加したことを意味する。

関連記事:英国のオンライン中古車販売プラットフォームCazooが320億円超を追加調達

プライベート投資家から多くの資金を調達したスタートアップの数が増え続ける中、SPACはあっという間に常道の選択肢となった。IPOを下調べして早く進められないことが明らかになったのちにSPACに走るいくつかのケースもあった。例えばWitness WeWorkは先週、90億ドル(約9933億円)のSPACを発表したが、2019年にはバリュエーション470億ドル(約5兆1875億円)でのIPOを試み、失敗に終わっていた。

他には何年も事業展開している企業にとってイグジットがオプションとなるが、従来のIPOよりぴったりくるものではないケースもある。実際、デジタル通貨と仮想通貨にかけてきた創業14年のイスラエルの取引プラットフォームeToroも2021年3月初めに評価額104億ドル(約1兆1481億円)でのSPACとの合併を発表した。

関連記事:投資プラットフォームのeToroがSPAC経由で1兆円企業として上場へ

他の企業は上場する手っとりばやい手段としてSPACを使い、スタンダードであるIPOの長期にわたり、かつ費用のかかるプロセスの一部を回避するためにそうしたチャンネルを通じて資金調達している(Cazooもこのカテゴリーに含まれるようだ)。東南アジアの大手オンデマンド乗車プロバイダーGrabもまた米国で上場する計画を加速させるためにSPACを検討していると報道されている。同社は「スーパーアプリ」としてサービスを拡大してきた。

究極的には、何十億ドル(何千億円)という評価額は、これから実行される、あるいはすでに実行された多くのSPACを通じて今後も生み出される一方で、SPACを選んだ企業がどのように長期に上場を維持し続けるのかは不透明だ。特にプライベート投資家は短期的な利益のために数億ドル(数百億円)を投入するとき、こうしたハイスケールだがおそらく(まだ?)黒字でないモデルを長期に支援することに興味があるが、果たして公開市場の投資家がそうなのかはわからない(もちろんSPAC合併した企業が上場会社としてどういいう方向に向かうのかも依然として不透明だ)。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Cazoo中古車SPACイギリス

画像クレジット:Cazoo

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi

インターネット広告のOLXが運営するベルリン拠点の中古車マーケットプレイスを閉鎖、中南米・アジアに重点

英国の中古車販売ポータル、Cazoo(カズー)は現地時間3月29日、70億ドル(約7693億7000万円)の企業価値で米国のSPAC(特別買収目的会社)と組んで膨大な資金を獲得したが、別の巨大中古車販売会社でもの事業統合が置きている。TechCrunchが情報を入手し確認したところによると、ベルリン拠点の新興市場向け中古車マーケットプレイスを運営するFrontier Car Group(FCG、フロンティア・カー・グループ)のベルリン市内での事業が閉鎖される。その結果100名分の職がベルリンからインドへ移ると同社はいう。

FCGの主要株主であるOLX Group(Naspersのテック部門で現在別会社として上場されているProsus傘下)は、ラテンアメリカおよびアジアでOLX Autosブランドの下で地域密着型の運営に焦点を絞ると語った。FCGの残された事業はOLX Autosに統合される。2021年2月に就任したOLX AutosのCEO Gautam Thakar(ガウタム・タカール)氏は、インドのグルガオン出身だ。

現在、OLX Autosはアルゼンチン、チリ、コロンビア、エクアドル、インド、インドネシア、メキシコ、およびペルーで事業を運営している。同社は他に3つのブランド、パキスタンのCarFirst、ナイジェリアのCars45、および米国のwebuyanycar.comを保有している。

OLXは2019年11月にFrontierに約4億ドル(約439億6000万円)の投資を行ったことで同社の支配権を握った。当時の評価額は7億ドル(約769億3000万円)だった。投資に関する正式な発表はなかったが、Twitterに流れた情報を発見し、Prosusの広報担当者がTechCrunch宛ての声明で詳細を認めた。

「OLX GroupはFCG Germany GmbHのベルリン拠点を数カ月以内に閉鎖することを正式に認めます」と広報担当者は語った。「この事業主体はベルリンにおけるOLX Groupの一部です。ベルリンのその他のOLX Group従業員は今回の閉鎖の影響を受けず事業は継続されます。FCG Germany GmbHの閉鎖は容易な判断ではありませんでした。この決定はラテンアメリカ・アジア市場により焦点を当てるOLX Autosの戦略を反映したものであり、当社は中核となる製品開発事業を、OLX Autosの主要市場であるインドへ移転します。OLX Groupは苦しい状況に置かれる社員たちを手厚く待遇し、義務の範囲を越えて経済支援を行い、新たな職を見つけるための時間と余裕を持てるようにします。影響を受けた従業員が当社の他の事業主体の求人に応じることも推奨しています」。

ベルリン拠点の職がインドに移転するというニュースには約100名が影響を受けている。ヨーロッパに他の事業所はない。FCGのサイトに行くと、自動的にOLXに転送される。

設立場所と本社はベルリンだが、Frontier Car Groupの焦点は常に新興市場に向けられており、それぞれの国の中古車マーケットプレイスモデルを採用してきた。

FrontierのファウンダーであるSujay Tyle(スジェイ・タイル)氏、Peter Lindholm(ピーター・リンドホルム)氏、André Kussmann(アンドレ・クスマン)氏の3人は、CazooのライバルであるAuto1(これもベルリン拠点の中古車マーケットプレイスで2月にドイツで上場を果たし現在の時価総額は約1兆3848億円でCazooの投資家にとっての比較対象)に触発され、このモデルを途上国市場に持っていけばチャンスはもっと大きいと考えた。

「私はAuto1のモデルに魅せられました」とタイル氏が2018年にTechCrunchに話した。タイル氏自身は米国出身の優秀な若者で、Frontierを設立した時は20台前半だった。2020年8月に会社を去り、現在メキシコシティーに住み、そこで新しいeコマース投資会社Meramaを設立している。

Frontierは、Auto1(Sequoia、SoftBankらから数百億円の出資を受けた)の成功のおかげもあり、ベルリン発の優れた新規テックスタートアップの後見人的立場となっていた。

新興市場に重点を置くという戦略は、Naspersの世界進出戦略とつながり、中古車マーケットプレイスに関心のあった3行広告事業者のOLXはFrintierの戦略的投資家となり、当初は少数株主として、最終的には過半数株主となって会社の支配権を得た

OLXがなぜ、Frontierブランドを捨てOLX Autosにこだわったのかははっきりしないが、2020年来OLXは他の市場でもリストラを行っていたようで、インドの不動産および中古品のためのマーケットプレイスを閉鎖した後、現地事業所で250名を解雇していた。

Cazooのように、新型コロナパンデミックの中で大きくビジネスを拡大している会社もあるが、健康危機は多くの経済分野を襲い、特に被害の大きい会社はコスト削減を強いられている。全体的に見て、世界のさまざまな市場で新車の販売は大きな不況に見舞われている。

Prosusの広報担当者は、OLX GroupとOLX Autosともに、当初は新型コロナウイルスの影響を受けたが以降立ち直ったと話した。Prosusは、激動の年にも黒字を維持しているが、利益は減少したと指摘する向きもある(次の決算報告は6月)。

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タグ:OLXベルリン中古車販売

画像クレジット:Jason Hawkes / Getty Images

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nob Takahashi / facebook

中古車市場のCarsomeが東南アジア事業で31.3億円をシリーズDで調達

東南アジア最大の中古車向けeコマースプラットフォームを標榜するCarsomeは、シリーズDで3000万ドル(約31億3000万円)を調達したと発表した。資金調達はAsia Partnersが主導し、投資家のBurda Principal InvestmentsとOndine Capitalが参加した。

Carsomeによると、これは「東南アジアのオンライン自動車業界におけるこれまでで最大級のオールエクイティ資金調達の1つ」だという。シリーズDの一部は、同社のサプライチェーンを統合するためのM&Aに使用される可能性がある。

5年前にマレーシアで設立されたCarsomeのプラットフォームは、C2CとB2Cの両方のセグメントにサービスを提供しており、車両がプラットフォームに掲載される前に検査を行うことで品質を保証している。現在の従業員数は1000人で、年間7万台、車両の取引総額は総額6億ドル(約625億円)だという。

共同創設者でグループCEOであるEric Cheng(エリック・チェン)氏はプレスリリースの中で、Carsomeは現在インドネシア、タイ、シンガポールでも事業を展開しており、過去6カ月ではパンデミック以前の水準に比べて月間収益が2倍になったと述べた。同社によると、より多くの人や企業が安全上の理由から自家用車を購入していることが一因だと主張している。

Counterpoint Researchによると、新車の売上が世界中で急落している一方で、中古車の売上は特にeコマースプラットフォームにより、より急速に回復しているという。これは人々が公共交通機関やライドシェアサービスを避けたいと考えている一方で、より安価なオプションを求めていることが主な理由だ。

東南アジアの他の中古車プラットフォームには、Carro、OLX Autos(旧BeliMobilGue)、Carmudiなどがある。

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タグ:Carsome中古車販売東南アジア資金調達

画像クレジット:Carsome

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter)