日産自動車が、米国以外のほぼすべての市場で新型ガソリンエンジンの開発を終了し、電気自動車の開発に集中する計画だと日本経済新聞が報じています。
日経は12月に、日産が米欧に2025年までに新しいバッテリーリサイクル工場を建設する計画を立てていると伝えていました。今回の報道でも、欧州で2025年にも新しい排ガス規制が導入されるとして新規のエンジン開発はコスト面で見合わないと判断、欧州規制に準じる日本および中国向けの開発も終了する方針だとし「日本車大手でエンジン開発の終了方針が明らかになるのは初」と述べています。
とはいえ、もしこれが本当ならば、いよいよ国内メーカーもこれまで自動車の心臓部として技術ノウハウを蓄積してきた内燃エンジンから、電気へシフトする姿勢を鮮明にしてきたと言えるかもしれません。
なお、日産自動車は米国市場向けに、主にピックアップトラック用のガソリンエンジンの限定的な開発を継続すると記事では伝えています。ただ、これも情報の出所は示されておらず、Reutersなどは日経の記事に対するコメントを日産に求めています。
ちなみに、日本車大手としてはホンダが現社長の三部敏宏社長の就任の会見で、全製品および企業活動を通じたカーボンニュートラル化の一環として2040年までにEVおよびFCVの販売比率100%を目指すと宣言しており、これが”VTEC”技術でならしてきたホンダの事実上のエンジン開発終了を意味するとして話題になっていましたが、三部社長はwebCGのインタビュー記事で「エンジン開発はゼロにはしない」と、縮小はしつつも今後十数年のあいだは継続する考えを述べています。
一方、韓国Hyundai(ヒョンデ:現代自動車)は昨年12月に内燃式エンジン(ICE)の開発部門を解散したと報じられました。欧州連合(EU)は、2035年までにハイブリッド、プラグインハイブリッド車を含むガソリンエンジン搭載の新車販売を禁止する方針を打ち出しており、欧州自動車各社はこれに対応すべくEVシフトを鮮明化しています。
(Source:Nikkei(1)、(2)。Via Reuters。Engadget日本版より転載)