最近、ギグエコノミーについての議論が盛んに行われているが、Jarah Euston(ジャラ・ユーストン)氏は、労働力のより大きな部分である時給労働者について再考する時期に来ていると主張している。
かつてはモバイル広告スタートアップFlurry(フルリー)の幹部であり、データ運用のスタートアップNexla(ネクスラ、未訳記事)の共同創業者でもあるユーストン氏は、8000万人の米国人が時給制で働いている(BLSレポート)にもかかわらず、現在のシステムは雇用者にとっても労働者にとっても、うまくは機能していないと私に語った。
雇用者側からみた問題は、離職率や欠勤率が高いことで、一方労働者からみたときの問題は、予測不可能なスケジュールに対処しなければならず、希望する時間をすべて割り当ててもらうのに苦労することがよくあるということだ。そこでユーストン氏は、より良いシステムを作るためにWorkWhile(ワークホワイル)を立ち上げ、シードファンディングで350万ドル(約3億6000万円)を調達した。
彼女はWorkWhileを空きシフトと時給労働者をマッチングさせるマーケットプレイスだと説明する。そこでは雇用者が埋めたいシフト時間を指定し、労働者は働きたい時間帯を指定する。つまり、雇用者は必要に応じて労働力を拡大したり、縮小させたりすることができ、一方で労働者は自分が希望する時間だけ働くというということだ。
「労働力をプールすることで…双方が望む柔軟性を提供することができます」とユーストン氏はいう。
WorkWhileは、資格と信頼性のある応募者を見極めることを目的として、1対1の面接、身元調査、認知科学に基いたテストを用いて労働者をスクリーニングする。
雇用主はWorkWhileに対してサービス使用料を支払うが、ユーザーにとってはプラットフォーム利用は無料だ。また、スタートアップは労働者たちと長期的な関係を築くことを目指しているため、ユーストン氏は、まずは勤務時に獲得した病欠手当クレジットや、デビットカードへの翌日の支払いなど、追加のメリットを提供することにも投資を行うと述べている。
「自分に合っていて、なおかつスケジュールの不自由さのない仕事を見つけるのは大変です」と声明の中で語っているのは、プラットフォームを利用する労働者のひとりMichael Zavala(マイケル・ザヴァラ)氏だ。「WorkWhileはフルタイムで自分のスケジュールを組み立てることができる、まさに私が探していたものでした」。
このスタートアップは、サンフランシスコ・ベイエリア、ロサンゼルス、オレンジ郡、ダラス・ノースワースで事業を開始している。
パンデミック状況下における広い経済状況や雇用状況を考えると、大勢のひとがさらに多くの仕事を探しているはずだ。一方で、ユーストン氏は、雇用者側の激しい浮き沈みを見ているという。つまり一部の企業は活動を止めスタッフを解雇しなければならない一方で、別の一部の企業は急速に成長している。そうした成長している企業には、たとえばWorkWhileの顧客であるレストランサプライヤーのCheetah(チーター)、食事デリバリーのThistle(シスル)、園芸eコーマスのAnsel & Ivy(アンセル&アイビー)などが含まれる。
今回の資金調達はKhosla Venturesが主導し、Stitch Fix(スティッチ・フィックス)の創業者でCEOのKatrina Lake(カトリーナ・レイク氏)、Jennifer Fonstad(ジェニファー・フォスタッド)氏、F7、Siqi Chen(シキ・チェン)氏、Philip Brenner(フィリップ・ブレナー)氏、Zouhair Belkoura(ゾウヘア・ベルコオウラ)氏、Nicholas Pilkington(ニコラス・ピルキントン)氏が参加している。
「時給労働者の大半は正直で信頼できる人たちですが、中には助けを必要とする困難な個人的事情を抱えているひともいます」とVinod Khosla(ビノッド・コースラ)氏は声明の中で述べている。「多くの企業がそうした従業員を、離職率が高い消耗品のように扱っていますが、そうした従業員も敬意と適切なサポートを与えられれば、より長期的に働ける模範的な従業員になることができるのです。WorkWhileはこの問題を解決する手助けをしたいと考えています」。
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タグ:WorkWhite、資金調達、ギクワーカー
画像クレジット:wera Rodsawang / Getty Images
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(翻訳:sako)