2020年には東京オリンピックが開催され、目標とされている訪日外国人の数は約4000万人。だがみずほ総合研究所の試算によると、オリンピック開催中の8月には最大1万3700室程度の宿泊施設不足が発生する。ホテルやホテル従業員の深刻な不足が騒がれる中、それらの課題を民泊と不動産テックという切り口での解決を目指しているのがmatsuri technologiesだ。
2016年8月設立のmatsuri technologiesは民泊の管理・運用関連のソフトウェア「m2m」シリーズなどを提供すると同時に、前回の調達時に発表しているとおり、ファンドクリエイションと民泊マンスリーファンドを立ち上げ、すでに300室以上を借りている状況だ。そんな同社は10月14日、グロービス・キャピタル・パートナーズや朝日プランニングなどから合計で5.8億円の資金調達をシリーズBラウンドで実施したことを発表した。
matsuri technologies代表の吉田圭汰氏は「今回調達した資金を元に物件借り上げを促進する予定だ」と話す。より具体的には、2020年8月までに1000室の民泊の新規開業を目指すという。加えて、同社は民泊管理ソフトウェアを改善し、採用を強化する予定だ。
これまでに170万人以上の訪日旅行客の宿泊をソフトウェアを通じてサポートしてきたというmatsuri technologiesは「観光庁によると訪日旅行客の約6割は世帯年収500万円以下、特に低価格帯の宿泊施設に対するニーズが強くなっている傾向がある。2018年に施行された新しい法律『住宅宿泊事業法』によって、住宅を改装し、宿泊施設として合法的に提供できるようになった民泊は、時代の流れにマッチした宿泊施設の一形態だと考えている」と説明している。