格安ホテルOyoが従業員数千人を一時帰休、新型コロナで売上高50%以上減少

格安ホテルチェーンを運営するOyo(オヨ)は、米国など複数の市場で従業員数千人を対象に最大3カ月の一時帰休とした。新型コロナウイルスの感染拡大により売上高と需要が50%以上減少した。

事情に詳しい関係者によると、一時帰休によって最も影響を受けるのは米国だという。Oyoは声明で一時帰休について認め、同社にとって国内市場であるインドは影響を受けなかったと付け加えた。同社は雇用者の削減はしないと述べ、一時帰休者を含め従業員に対する医療や薬に関する福利サポート提供を約束した。

創業者兼最高経営責任者であるRitesh Agarwal(リテシュ・アガワル)氏は従業員へのビデオメッセージで、新型コロナの感染拡大が世界中でビジネスに深刻な影響を与えていると語った。稼働率と売上高は、年初に比べ50〜60%「以上」下落したと述べた。

Oyoは2019年3月31日に終了する事業年度で、全世界ベースで9億5100万ドル(約1030億円)の売上高に対し、3億3500万ドル(約360億円)の損失を計上した。

ソフトバンクが支援する同社の一時帰休は、インドや中国などの市場でこの数カ月で5000人の従業員と請負業者をレイオフしたことに続くものだ。

世界中のビジネスを混乱に陥れた新型コロナのパンデミックは、ソフトバンクにとって新たな逆風となり、WeWork(ウィーワーク)、Kabbage(カバッジ)、OneWeb(ワンウェブ)などのポートフォリオのスタートアップの多くが従業員の一時帰休または破産を選択している。

WeWorkは昨年IPOの申請を急いだもののガタガタになった。孫正義氏率いるソフトバンクが30億ドル(約3260億円)の公開買付けを開始しないと表明後、WeWorkは契約違反および善管注意義務違反でソフトバンクを訴えた

昨年、投資家のLightspeed Partnersなどから株式を買い戻してOyoへの出資比率を約33%に引き上げたアガワル氏はOyoの貸借対照表について「厳しいストレスにさらされている」と述べ、「あらゆる管理可能なコストを見直し、削減することを余儀なくされた」 と続けた。

「その一環として、将来を見据えた設備投資、M&A、不要不急の出張や新規の支出などを1カ月以上前にすべて停止した」。同氏は今年の残りの給与を受け取らない予定だ。経営幹部も給与を最低25%引き下げることに同意している。

インドで2番目に価値の高い100億ドル(約1兆900億円)規模のスタートアップである同社は、多くのホテルチェーンパートナーが契約を順守していないと主張しており、ここ数カ月間は動向が注視されていた。

Oyoは先月、売上保証などの特典を世界中のホテルパートナーに付与する慣行を終了し、ホテルパートナー向けに新しい契約を展開していると述べた。

「私と当社のリーダーシップチームにとって、長期的な成功に必要な正しい決定と、会社の長期的なキャッシュランウェイ(キャッシュフローが赤字の間、手元資金で乗り切れる期間またはその期間の経営)の視点から正しいことを行うことが重要だ」とアガワル氏は4月8日に述べた。

「Oyoの中国のホテルパートナーは需要の高まりを感じ始めている。当社は今後も世界中の当局と協力して、新型コロナと戦うために医療従事者や最前線の人々にホテルを提供する予定だ」と同氏は付け加えた。

画像クレジット:Akio Kon / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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