美容室予約アプリ「requpo(リクポ)」を運営するリクポは2月15日、コロプラ、ベクトル、大和企業投資およびエンジェル投資家数人を引受先とした第三者割当増資により、総額8000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。調達自体は2016年の12月に実施しており、評価額や出資比率等は非公開。同社は2016年3月にもTLMとエンジェル投資家5人からシードマネーを調達しており、今回が2度目の資金調達となる。リクポは2015年12月の設立。代表取締役CEOの木崎智之氏は学生時代から事業の立ち上げを経験しきた人物で、美容・婚礼業界向けのウェブマーケティング会社の代表を務めたのちrequpoのビジネスを企画した。
ビジネスモデルで特許を取得
2016年7月に正式版がリリースされたrequpoは、美容室を予約したいユーザーが日時やメニュー、予算といった希望を登録すると、それに応じて美容師側からオファーが届くという“検索しない”サービスだ。(正式版リリース時にTechCrunchでも紹介している)
当時から「ユーザーが美容室の特徴や空き時間を調べて予約する」一般的な仕組みではなく、「ユーザーの要望に対して美容師側からオファーをする」という従来の常識に捉われないシステムを大きな特徴としていた。前回の取材時にはビジネスモデル特許を出願中とのことだったが、2016年11月に無事特許を取得。資金調達にあたっても、目先の数値の伸びよりもこの新しい切り口のビジネスモデルに対して投資家から共感を集めたという。例えばコロプラは主にエンターテイメント領域へ投資を行っているが、木崎氏によると「requpoの予約システムにエンターテイメント性を感じていただき、今回の出資につながった」そうだ。
様々な業界で「予約」の概念を覆すチャレンジ
これまではプロモーションに資金を投じてこなかったが、サービスリリース後にTwitterトレンドで19位に入ったこともあり、前回取材をした2016年7月に比べ「数はまだ大きくないものの登録ユーザー数で約13倍、美容師数で約3倍になり、美容師の登録希望が毎日届いている状況」(木崎氏)という。
美容室を予約したいユーザーとしては予約の手間が省け、美容師側としては新規顧客開拓に繋がるツールになりうるrequpo。双方からの反応も良いだけに、いかに認知してもらえるかが目下の課題だ。今回調達した資金を元に事業のスピードをあげるべく採用を進めるほか、プロモーションに力を入れていく。
並行して今後見据えているのがネイルやまつげエクステといった、美容室以外への横展開だ。「多くのユーザーにとって美容室は月に何度も訪れる場所ではないため、月ごとのサービス利用頻度も限られる。1人のユーザーに何度も使ってもらえるサービスになるように、まずは美容業界から予約の仕組みをリプレイスし予約を『作業』ではなく『エンターテイメント性のある楽しいもの』にしたい」(木崎氏)