気が散らないウェブコンテンツ読書サービス「Scroll」閉鎖、「Twitter Blue」の機能に

広告などを取り除き、ウェブ上の長いコンテンツを読みやすくするサービスのScroll(スクロール)が約30日間サービスを停止し、Twitter Blueの機能になる。Twitter(ツイッター)がTechCrunchへの電子メールの中で認めた。Twitterは5月にScrollを買収し、Twitter上でプレミアム機能としてScrollを提供する計画だと述べていた。Scrollは独立事業としてサービスを停止した後、Twitter Blueの一部として「Ad-Free Articles(広告ゼロの記事)」になる。

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Scrollの現在の購読者に送られた電子メールには「ローディングが迅速で、広告がない記事を引き続き読むことが可能、その一方でお気に入りのサイトのジャーナリズムをサポートするTwitter Blueを購読してください」と書かれている。

Scrollは現在、月5ドル(約560円)で有料購読者にUSA Today、Buzzfeed News、The Atlantic、The Vergeなどを含むさまざまなウェブサイトでの広告が入らないブラウジングを提供している。Scrollの使用はリーダービューに似ていて、読者がコンテンツにフォーカスできるよう、広告やトラッカー、その他のウェブサイト上の邪魔なものを排除する。月額料金の一部は購読者が読むコンテンツの資金にあてられる。

ScrollとTwitterが買収を発表して以降、Scrollは新規購読の受付を停止してプライベートベータに移行し、チームはScrollのTwitterへの統合に取り組んだ。現在の利用者は、ScrollがいつTwitter Blueで利用できるようになるのか、そして直接的な移行があるのかどうか知らされていない。2社は数週間内に詳細を提供すると約束している。

Twitterは以前、購読者がTwitterを通じてScrollを使用するとき、サブスクの売上高の一部は出版社とコンテンツを制作したライターのサポートに充てられると言及した。プレミアム購読者は、報道機関やTwitterの自前のニュースレタープロダクトRevueの記事を簡単に読むためにScrollを使うことができるとTwitterは説明していた。RevueはTwitterがこのほど買収したサービスで、すでにTwitterに統合されている。

Twitter Blueは現在、カナダとオーストラリアでのみ利用できるというのは注目に値する。購読すると、Twitterユーザーはプレミアムな機能にアクセスできる。ここには、ブックマークを整理するツールや、Twitterが長らくリクエストされてきた「編集」ボタンに関連して提供するものに最も近いものになる「Undo Tweet」機能などが含まれる。Twitter Blueにはまた、リーダーモード機能もある。Twitterが以前、Scrollの計画とは関連がないと言っていたものだ。一部の人はTwitter Blueに他の機能を期待していたかもしれないが、リーダーモードはScrollのような確固たるサービスとは対照的なThread Readerといったサードパーティのアプリに代わるものだ。

カナダとオーストラリアでは、Twitter Blueの購読料金は現在、3.49カナダドル(約310円)と4.49オーストラリアドル(約360円)だ。今後の統合で料金が上がるかどうかは不明だ。

画像クレジット:Twitter

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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