Microsoftが前に言ってたところによると、PCの世界でみんながその名前を知ってるような、いくつかのOEMパートナーが今、Windows 10機の上で混成現実を体験できるためのヘッドセットを作っている。その最初の製品であるAcerの製品は、デベロッパー向けに今月発売される。また、その後の数か月は、ほかのパートナーたちのデベロッパー向け製品が次々と発表される。
そして、Windows Mixed Realityという新しいブランドが確立する。前にはWindows Holographicと呼ばれていて、技術的にはそっちの方が妥当、との声もある。
Microsoftは2018年のScorpio Xboxを皮切りにXbox Oneの系統も混成現実化していくつもりなので、今の一連の動きはそのための…とくにデベロッパーを意識した…下地作りという意味もある。またWindows 10は今後またCreators Updateが提供されるので、デスクトップOS上の混成現実にも、引き続き力を入れて行かなければならない。
Acerや今後のASUS, Dell, HP, Lenovoなどの混成現実ヘッドセットは、位置追跡機能がinside-out方式で、部屋の中などに外付けの位置追跡デバイスが要らない。その代わり、ヘッドセットの中にユーザーのまわりをスキャンするセンサー群があって、ユーザーの動きを正確に追跡し、仮想オブジェクトを正しく描画する。
Acerのキットがデベロッパーの手に渡るのは今日(米国時間3/1)で、1440×1440、リフレッシュレート90Hzの液晶画面を誇っている。オーディオ出力とマイク入力のための3.5mmジャックもある。Windows 10のコンピューターには、HDMI 2.0とUSB 3.0の両方を収めた単一のケーブルで接続する。
混成現実は多くの人びとにとって、仮想現実よりもおもしろいものになりそうだ。オフィスやそのほかの仕事環境でも、多様な機能やVR/ARコンテンツを付加できる点が、デベロッパー、ユーザー両方にとって魅力だ。VRだけだとVRが現実を完全に隠してしまうから、現実に対する多様な用途は期待しづらい。ただしもちろんMicrosoftにとっての勝敗は、デベロッパーのためのライブラリや、ユーザーのためのソフトウェアのクォリティーで決まる。ヘッドセットでデベロッパーキットを先行させるのも、そのことを意識しているからだ。