漏洩文書は語る:Yelpは「Googleにコケにされている」と思っている

Yelp内部からTechCrunchにリークされた文書によると、Googleは検索結果を操作してYelpよりGoogle+のコンテンツを優先している疑いがある。Googleは米国内で行われた検索でのみ自社サービスを目立たせることで、Googleの反トラスト問題を審議中のEU規制当局の怒りをかわそうとしているとも、同文書は言っている。

情報筋によると、Yelp社内では以下ののスクリーンショットおよび調査結果が、Googleのやり方がフェアでないことを示すために出回っている。Yelpは最近、Googleに対するEUの反トラスト裁定案が甘いことを不服とする正式な異議申し立てに加わったと、New York Timesが報じており、私の情報源によると、これらの文書がその行動を引き起こした。

EU競争政策委員長、Joaquín Almunia

2013年の初めにGoogleは、同様の反トラスト問題で米国FTC[連邦取引委員会]と軽微な和解を成立させ、批判していた人々を失望させた。Google+等の自社サービスにトラフィックを誘導することは、違法と考えられていた。Yelpを含む原告団は、Googleがヨーロッパで容易に解放されることを望んでいない。

現在のEU反トラスト調停案は、ヨーロッパ競争政策委員長、Joaquin Almuniaが推している。これはGoogleが検索エンジンを使って、地元店舗紹介やショッピング情報サービスのライバルを妨げることに対する処罰や罰金を強制しないものだ。罰金は数十億ドルに上る可能性もあった。私はGoogle、Yelp双方からの、問題の文書に関する見解を待っている。

しかし、Googleが具体的にどう検索結果を操作して、ライバルを埋もれさせたのかは全くわかっていなかった。

以下の文書は、それを明らかにしようとしている。

米国からGoogle.comで “hotels sf” を検索した結果

サムネイルをクリックした時、検索結果の右下に表示されるGoogleカード.

まず、同じ検索(”hotels sf”)を、米国内のIPアドレスからGoogle.comで行ったものと、ベルギー国内からGoogle.beで行った2枚のスクリーンショットがある。ベルギーは、EUの反トラスト規制の拠点だ。上の米国Google.comの結果には、画面上方にGoogle+のレビューを含む黒いサムネールリストが目立つように置かれている。

リンクをクリックすると、右下の地図がある位置に、大きなGoogleコンテンツカードが開く。これが画面幅の約半分を占め、Google経由のホテル予約、Google Mapsによる道順案内、店舗のフォローやレビュー、および関連Google検索クエリ等へのリンクが書かれている。サムネールやGoogleコンテンツウィンドウ、Googleキーワード広告等の間に、画面サイズにもよるが、通常のオーガニック検索結果は殆ど表示されない。サムネイルリストは、Googleが調停に応じてから6ヵ月後に米国で登場した。

しかし、同じ検索をGoogle.bg(ベルギー)で行うと、サムネイルも大きなGoogleコンテンツカードも見ることがなく、ピンが何本か立てられたGoogle Mapsくらいだけで、オーガニック検索を邪魔するものは少ない。

米国からgoogle.be(ベルギーのサイト)、あるいはヨーロッパからgoogle.comで、 “hotels sf” を検索した結果

米国内にいる人なら、https://www.google.com/search?q=hotels+sfをクリックすれば米国の結果が、https://www.google.co.uk/search?q=hotels+sfをクリックすればヨーロッパの結果を見ることができる。

私の情報筋によると、Yelpはこれを、GoogleがEUの緩い調停が通過するまでの間、当局の前で検索結果を操作する様子を見せたくないためだと信じている。同筋によると、時にはヨーロッパのIPアドレスからGoogle.comで検索した場合でも、Google+等の自社サービスの売り込みが控え目になることもあり、Googleはヨーロッパで新しい表示フォーマットを意図的に隠そうとしていることが伺える。

「極秘」と書かれた第2の文書には、Googleの検索結果ページでユーザーがクリックした位置に関する、Yelpが実施したユーザー行動調査の結果が報告されている。

これによると、ユーザーがレビューを見ようとして、レストラン名と “yelp” という単語を一緒に検索した時、Googleが最初に返すのは、レストランのウェブページに、Google Placesのレビュー等のコンテンツが付加されたページ、「レビューを書く」ボタン、Google+ぺージへのリンク、およびGoogle Mapsのリンクだったというケースもある。ユーザーが探していたと想定される、そのレストランのYelpページは、2番目に表示された。

Yelp’s study findings

調査によると、サンフランシスコのレストランを探すために、”Gary Danko Yelp” を検索した人の約20%は、レストランウェブサイトのGoogle+が注入された検索結果をクリックしている。これは本来Yelpが得るべきものだと彼らは考えてている。

もちろん、少人数(故に信頼性の低い)の調査における40クリックのうちいくつかは、結果の順番にかかわらずGary Dankoのウェブサイトに飛ぼう決めた人であり、だまされわけではない。Googleがどのように、Google+注入済ウェブサイトをYelpの前に表示していているかを見るには、“Samovar Tea Loung Yelp”を検索すればよい(米国内のみ)。

Yelp’s conclusions and allegations based on the study

Googleの典型的抗弁は、ユーザーが欲しがっている情報を早く渡すためにリンクではなく答えを提供している、というものだ。EU規制当局にとっての問題は、Googleが自社サービスの検索結果をライバルのオーガニック検索結果より優先することが、果たしてユーザーへ親切なサービスなのか、反トラスト法違反なのかである。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


投稿者:

TechCrunch Japan

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