現役の救急集中治療医師が設立し、テクノロジーで緊急医療の改善に取り組む千葉大学発医療スタートアップSmart119(スマートイイチイチキュウ)は8月10日、第三者割当増資による総額3億675万円の資金調達を発表した。引受先は、ニッセイ・キャピタル、三井住友海上キャピタル、Sony Innovation Fund(ソニーグループCVC)、PKSHA SPARX アルゴリズム1号(PKSHA Technology Capital/スパークス・AI&テクノロジーズ・インベストメント)。
Smart119は、音声認識とAIを活用した救急医療支援システム「Smart119」のほか、緊急時医師集合要請システム「ACES」、災害時の医師の招集や最適な人員配置を支援する病院初期対応システム「Smart:DR」(スマートディーアール。Smart Disaster Response。Android版・iOS版)など、「急性期医療の問題を解決する」SaaS型ソリューションの開発・運用を行っている。
Smart119は、2020年7月から千葉市消防局において本格運用を開始。Smart:DRなどの病院向けソリューションは、大阪急性期・総合医療センター、国立国際医療研究センター、りんくう総合医療センター、島根大学病院、千葉大学病院などに導入されている。
今回調達した資金は、PKSHA Technologyの知見を取り入れた「急性期医療分野における予測診断アルゴリズムなどの研究開発」、日本生命と三井住友海上グループのネットワークを活用した自治体や医療機関への営業活動の促進にあてられるという。
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