環境保護は企業の負担ではなく利益の機会とSpoiler Alertは主張する

私たちは食品の育成や加工、輸送、販売などに、とてつもない量のリソースを割いている。十分に食べられない人がいる世界で、米国では生産される食べ物の30から40%が消費されていないことは恥ずかしいことだ。Spoiler Alertはこの問題に焦点を当てた。同社は最近1100万ドル(約12億30000万円)を調達してその仕事の規模を広げ、もっと多くの食べ物を、祭壇の供物にすらならないことから救おうとしている。

Spoiler Alertの共同創業者でCEOのRichard Ashenfelt(リチャード・アシェンフェルト)氏の説明によると「食品の廃棄は企業の利益機会の大きな喪失で終わる問題ではなく、地球レベルの気候危機の最大の原因でもあります。私たちが最初から抱えているビジョンと仮説は、『食糧を大規模に生産している企業などに、良質な製品が廃棄物になることを防止するツールや英知、そしてネットワークへの接続を効果的な方法で提供するためには、何をどうすべきか』という点にあります。私たちは、大量廃棄や有機物リサイクルに頼る前に、このビジョンをできるだけ多くの消費者に届けようとしています」。

Spoiler Alertのプラットフォームを、現在、多くの世界の大規模加工包装食品メーカーが、彼らのB2B流動化プロセスのデジタル化のために利用している(従来廃棄物になっていたモノの現金化)。顧客は、NestléやKraft Heinz、Campbell Soup Company、Danone North Americaなどで、4社とも世界最大の食品と飲料メーカーだ。

Spoiler Alertの共同創業者でCPOのEmily Malina(エミリー・マリナ)氏は次のように語る。「私たちが固く信じていることは、もはや廃棄という処理方法は必要なものではなく、事業費用として容認できるものでもないということです。私たちが行っていることのすべては、そのままにしておけば腐敗するだけの食品在庫をできるだけはやく移動して、それらを企業とリテイラーと消費者とそしてこの惑星の利益に変換することです」。

それがどうして同社のミッションになったのか、アシェンフェルト氏の説明は続く。「世界の食べ物の、供給の30〜40%は、消費されずに終わる。さまざまな対気候変動ソリューションをリストし検証しているProject Drawdownの研究調査によると、地球規模の気候危機に対する有効性の大きい対策の1つが、食品の廃棄を減らし解消することだ。私たちの場合は、食べ物を埋立地行きから救いだせば救い出すほど、大気汚染は減少し、リソースはそのプロダクトをもっと良い方法で収穫し流通することに向けられる。それは究極的には、それらのプロダクトを売ることによって企業の利益にもなり、プロダクトの償却が減るので、廃棄費用も不要になります」。

Spoiler Alertの創業者リチャード・アシェンフェルト氏とエミリー・マリナ氏(画像クレジット:Liz Linder Photography

企業はSpoiler Alertの柔軟性が高くしかもプライベートな流動化プラットフォームを利用して、余剰在庫や短納期の在庫、陳腐化した在庫などをシームレスに販売することができる。それが企業の利益を増やすことにつながり、リテイラーやその他の在庫一掃チャネルにとって臨時在庫の強力な供給になる。しかも「遅すぎた」ということがない。Spoiler Alertの強さを感じるのは、同社が資本主義の枠内で操業してこの問題の解決に取り組んでいるためだ。

アシェンフェルト氏は「私の父は環境問題の弁護士で、学生および学者としての私はその全精力を、世界最大のエネルギーと環境の問題を、プライベートセクターがプライベートセクターでありながら解決できる方法の研究に捧げてきました。私は生まれながらの環境保護家ですが、商業的であろうと努めてきました。企業や消費者が環境に対して正しいことをするための、容易で具体的なソリューションを私は追究してきた。そんな私たちが強く感じているのは、持続可能な気候にフォーカスした投資へのベストアプローチは、企業がスケールできる本物のビジネスに根ざすものでなければならない、ということです」という。

この投資をCollaborative Fundがリードし、Acre Venture PartnersThe Betsy & Jesse Fink Family FoundationMaersk GrowthSpring Point Partners、そしてValley Oak Investmentsが参加した。

画像クレジット:Spoiler Alert

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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TechCrunch Japan

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