社名に “blockchain” を入れたアイスティー会社がビットコイン採掘を断念

社名を”Long Blockchain” に変更した途端に株価を500%上げたアイスティー会社を覚えているだろうか? どうやらこの会社はブロックチェーン事業に参入できないようだ。

同社は、Bitcoin採掘マシンを1000台買うという約束を取り下げる決定を下した。発表からわずか6週間しかたっていない。

もちろん6週間前、Bitcoinは今よりずっと価値が高かった。現在Bitcoinは年初より1万ドル安く取引きされている。これは、再び上昇することがないという意味ではないが、投資家たちが弱気になっているのも無理はない。

この落ち込みはLong Blockchainの株価にも影響を与え、驚きの高値から50%下落し、時価総額はNASDAQの上場に必要な最低基準である3500万ドルを下回っている。

「われわれは今でも採掘装置がブロックチェーンエコシステムに与える価値を信じているが、機器の購入は当社で検討している複数の戦略の一つにすぎない」と同社のブロックチェーン戦略責任者のShamyl Malikが声明で語った。当初採掘装置の購入はリスクのない選択肢であると説明されていた。

代わりに同社は、「今後もBitcoinを始めとするデジタル通貨の採掘装置購入の評価」を継続し、これは英国企業、Stater Blockchainとの合併に向けたブロックチェーンへの取組みの一環であると、ウェブサイトで説明している。Stater Blockchainは、金融市場向けに国際的にスケーラブルなブロックチェーン技術ソリューションの開発、展開を行っている会社だ。

ただしLong Blockchainは、社名に “blockchain” と付けるる前から苦境に立たされていたことに注意されたい。株価は過去12カ月で24%下落し、昨年10月にはNasdaqから警告レターを受け取り、これが社名を時代精神的バズワードに変えるという異様な行動の引き金になった。

結果的に、一時のトレンドに乗って会社の価値を高めようとした効果も長くは続かなかった。合併が完了する日程についての情報はないが、ひとつはっきりしていることがある。Long Blockchainが、かつて社名を変えただけで手に入れたような上昇を見ることは二度とないだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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