KDDI、KDDI総合研究所、2015年1月設立の産業用ドローンメーカー「プロドローン」(PRODRONE)は6月10日、ダム・港湾設備の点検や水産漁場監視を行う「水空合体ドローン」を開発したと発表した。モバイル通信を利用して、点検現場まで空中を自律飛行し、潜水型子機を切り離して水中での測位、映像伝送を行う。この形式のドローンは、KDDI総合研究所の調べによると、2021年6月10日現在世界初となる。3社は今後、2021年度中に各用途に応じた実証を行い、2022年度の商用化に向け開発を行う。
水産養殖や水域インフラの点検分野では、人手不足が深刻化し、水中ドローンの需要が高まっているものの、従来の水中ドローンは船で点検現場まで運ばなくてはならなかった。一方この水空合体ドローンは、点検現場まで自律飛行するため、船を出す必要がない。親機である空中ドローンは、現場の水面まで飛行し子機である水中ドローンを切り離す。水中撮影、映像の伝送などの作業を遠隔操作で行った後、空中ドローンは水中ドローンを回収して、また飛んで帰ってくる。
機体の開発はプロドローンが担当し、KDDIは、ドローンを日常生活を支えるインフラにすることを目的に開発したモバイル通信によるドローン管制システム「スマートドローンプラットフォーム」を提供。KDDI総合研究所は、水中の音響計測技術を提供し、プロジェクト全体の統括を行っている。
水空合体ドローンは、6月14日から開催される展示会「ジャパンドローン2021」のKDDIブースに出展予定。
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