Indiegogoで資金を集めているフランスのパリのAirBoxLabは、空気中のVOCやCO2(二酸化炭素)、CO(一酸化炭素)、微粒子物質(PM, particulate matter)などの量を教えてくれる。気温と湿度(相対湿度)も分かるが、中心的な機能は主に室内の空気の汚染度を知ることだ。
空気中の有害成分(ホルムアルデヒド、ベンゼン、エチレングリコール、アセトンなど)を知ることは、いずれ地域の環境改善運動にも結びつく。そして、より健康的な地域社会を作っていくことに貢献する。
AirBoxLabは下図のような筒状のデバイスで、各種のセンサーを満載している。このデバイスによる空気の測定結果は、スマートフォンやタブレットの画面にチャートやグラフで表示される。情報が多く集まるとパターン認識と機械学習の機能により、異常時にはプッシュ通知をくれるようになる。それによって、汚染源…何かがこぼれていた!…を見つけて排除したり、窓を開けて換気をしたりできる。
空気の質をモニタする機能は、たとえばWithingsの体重計Smart Body Analyzerなどにもある。でもそれらはCO2とその経時変化量だけ、というものがほとんどだ。AirBoxLabは測定物質の種類が…たぶん必要十分に…多いだけでなく、ユーザにアクションをうながす(窓を開けろ!)。その意味では、iPodの設計者が独立して作った冷暖房モニタNestに似ている。こちらも単に温湿度を表示するだけでなく、冷暖房機器の最適利用をうながす。
昨年4月にKickstarterに登場して資金募集に成功したAir Quality Eggも、類似のプロジェクトだ。こちらは目標額を大幅に超える14万ドルあまりを獲得した。この製品は、空気の質に関するクラウドソースなコミュニティデータベースを作ることが最終目標だった。AirBoxLabもやはり、全ユーザからデータを集めてコミュニティの情報源を作ることをねらっている。両者を比べると、AirBoxLabは一般的な消費者製品、というふうで、一方EggはDIYマニアやテクノロジおたくをねらっていたようだ。
AirBoxLabの目標額は10,000€(約US$13,000)だが、今その半分強が集まっている。予約購入を兼ねた投資額は129€(約US$168)およびそれより上だ。最終小売価格はこれより40€高くなる。発売予定は今年の9月で、情報を表示させて見るための、iOSとAndroid用のアプリも提供される。ただしぼくの唯一の心配は、自分が呼吸する空気の質を毎日調べるのは、人を元気づけるいうよりむしろ、気持を滅入(めい)らせるのではないだろうか。環境を変える努力はできるが、それにも限界がある。でも一方、人間はつねに熾烈な好奇心を持っている生き物だから、夜安心して眠れなくなるかもしれないと分かっていても、この製品を買ってみたくなる人が、けっこう多いかもしれない。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))