米国で大麻関連企業への投資が急増、2021年の平均投資額は昨年比165%増に

大麻関連企業のエクイティ資金調達額が、急速に過去最高を更新している。Crunchbaseのデータを分析すると、大麻企業はエクイティ資金調達でより大きな額の小切手を手にしていることが明らかになった。ラウンド数はシードラウンドから後期段階のラウンドへと移行しているようだ。

米国時間10月14日、大麻関連のテクノロジー企業として業界をリードするDutchie(ダッチー)が、新たに大規模な資金調達を行ったというニュースが報じられた。今回の3億5000万ドル(約400億円)を調達したシリーズDラウンドは、2021年3月に実施された2億ドル(約230億円)のラウンドに続くもので、同社の評価額は37億5000万ドル(約4290億円)に達した。Dutchieはこれまでに総額6億300万ドル(約690億円)を調達している。

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Dutchieの他にも、2021年には大規模な資金調達ラウンドを実施する大麻関連企業が続出している。例えば、Jane Technologies(ジェーン・テクノロジーズ)は8月にシリーズCラウンドで1億ドル(約114億円)を調達し、Kadenwood(カデンウッド)は5000万ドル(約57億円)を調達したシリーズBをクローズした。また、私募投資で1億ドルを調達したMedMen(メッドメン)のように、IPO後の株式に目を向けている企業もある。Weedmaps(ウィードマップス)の親会社は、SPACと同時に3億2500万ドル(約372億円)の投資を受けている。

2021年の最初の5カ月間に大麻関連企業が実施した資金調達は132件で、その1件あたりの平均調達額は1500万ドル(約17億円)にのぼる。しかし、資金調達の激しさはその後も加速し、直近の5カ月間に大麻関連企業は73件の資金調達を実施しているが、平均調達額は2800万ドル(約32億円)と86%も増加した。これらの中には、シリーズDまでのプレシード投資の他、IPO後のエクイティ資金調達、エクイティクラウドファンディングなどが含まれる。

2020年の水準と比較すると、大麻関連の平均投資額は、2020年の750万ドル(約8億5800万円)から、2021年には1990万ドル(約22億7600万円)へと165%増加している。資金調達イベントの数も飛躍的に増加しており、2021年は現在までの10カ月足らずの間に、205件の資金調達ラウンドが報告されている。2020年は通年で176回だった。

投資額は、ほぼすべてのステージで増大している。Crunchbaseのデータによると、2021年のシードステージの平均投資額は186万ドル(約2億1300万円)で、2020年の平均約100万ドル(約1億1400万円)から85%増加。シリーズBとシリーズCの投資額は、それぞれ128%と154%増加し、平均投資額は1896万ドル(約21億7000万円)と1億167万ドル(約116億3000万円)となっている。ただし、この傾向には1つだけ例外がある。シリーズAの投資額は、前年同期比で25%減少しているのだ。全体的な傾向は増加しているにも関わらず、特定のステージのみが減少している明確な理由は見当たらない。

大麻は依然として連邦政府には違法薬物とされているが、企業は増え続ける規制に直面しながらも成長するための新しい方法を見出している。新型コロナウイルスの流行はそれを後押しした。感染流行初期の頃は、全国の薬局が必要不可欠なビジネスとみなされ、消費者受容が急激に高まった。2021年後半には、以前にも増して多くの米国人が大麻に慣れ親しんでおり、これには明らかに投資家も含まれている。

画像クレジット:Kimberly Delaney / Getty Images

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(文:Matt Burns、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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