米国のKoboがAuraの後継モデルとなるNiaの予約を開始、地味なアップデート

電子書籍リーダーのカテゴリーは、かつてはエキサイティングだった。少なくとも、この分野に期待できる程度にはエキサイティングだった。主要プレイヤーの多い活気のあるカテゴリーで、お互いが切磋琢磨していた。しかしほかの多くの市場が押さえ込まれたのと同様に、アマゾンが競合をほとんど一掃してしまった。

しかしその中でKoboは、いまでもこのカテゴリーで一定のポジションを維持しており、カナダ、フランス、日本、オーストラリア、ニュージーランドなど多くの国での市場シェアは堅調だ。この一因としては、2012年に楽天によって買収されたことも少なからず寄与していると思われるが、技術面で確実に革新を取り入れてきたことが大きい。アマゾンはこれに対して常に注意を払っているのだ。

しかし、今回登場したNiaは革新的ではない。Koboのサイトで少し前から販売されなくなった標準モデルのAuraの後継として作られた新しいモデルだが、あまり魅力を感じない。最大のアップデートはハードウェアのデザイン変更で、まあ悪くはないが。Auraでは背面にあった大きな青色の電源ボタンは、デバイス底面の小さい黒いボタンになった。

画面は業界標準の6インチE Ink Cartaだ。解像度は212ppiのままだが、画素数はダウングレードされたようで1024 x 768ドットから1024 x 758ドットへとわずかに減っている。これはちょっと不思議だ。また少し軽くなり、やや細く縦長になっている。いずれもちょっとした変更だ。

ストレージが4GBから8GBに増えたのは、ちょっとしたことだがいい変更点だ。8GBの容量で最大6000冊を保存できるという。フロントライト技術のComfortlineは引き続き搭載されている。なお、アマゾンがKindleのハイエンドモデルに最近搭載した色温度の調整機能のようなものとはまったく異なる。

スリープカバーも販売されている。E Inkの画面は傷つきやすいので、リュックに電子書籍リーダーを放り込む人にはお勧めだ。そして重要な点として、価格はAuraと同じく100ドル(約1万700円)。標準のKindleの広告つきモデルより10ドル(約1070円)高く、広告なしモデルより10ドル安い(日本語版記事公開時点では日本でのNiaの発売は発表されていないため、価格は不明)。

新しい電子書籍リーダーは前モデルにあたるAuraからそれほどアップグレードされているわけではないが、特に人気のePubなど非独占的なファイルフォーマットを使えるオープンなプラットフォームであることから、Koboは依然としてKindleの有力な代替サービスだ。Niaの予約注文はすでに始まっていて、7月21日以降に出荷される。

画像クレジット:Brian Heater

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(翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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