米食品医薬品局が製造コスト25分の1の新型人工呼吸器を認可

米国食品医薬品局(FDA)は、ミネソタ大学が設計した新しいタイプの人工呼吸器「Coventor」(コベンター)の製造を認可した。このプロジェクトは既存モデルと同等の生命維持能力をもつ人工呼吸器を大幅な低コストで量産できるようにすることで、必要としている医療機関が早期に安価で入手できるようにすることを目的にしている。

Coventorは、FDAの緊急使用許可(EUA)を取得した最初の新型人工呼吸器だ。緊急使用許可とはその名が示す通り、FDAが通常発行する伝統的な医療機器の認可と異なり、不足している必要機器を提供するために一時的に認可したり、全承認行程を経ずに行う緊急時の対応だ。

新型コロナ・パンデミックは近代の記録ではこの種の危機としておそらく最大の事例であり、COVID-19による呼吸器疾患の重篤患者の治療には、殆どの場合挿管あるいは人工呼吸器による補助が必要になる。増え続ける肺炎患者のために人工呼吸器は米国内外で供給不足が続いており、新しい設計の機器や他の医療用呼吸器具を改造して補完するなどいくつもの解決策が提案されている。

ミネソタ大学のCovnetorは、工学部と医学部の共同チームが開発した。卓上サイズの新型呼吸器は約1000ドル(11万円)で製造が可能で、原価で販売されれば、市価2万~2万5000ドルする現行の医療水準人工呼吸器を置き換える有力な候補になる。

医療機器メーカーのMedtronic(Teslaとも共同で人工呼吸器の製造計画を進めている)とBoston Scientific(今回の承認後にCoventorの製造、販売を担当する)の両社も設計に寄与した。ミネソタ大学は今日(米国時間4/15)、Coventorの仕様をオープンソース化し、世界中で製造できるようにすることも発表した。ただし他社が製造するためにはFDAまたは各国の公共保健機関の承認を得る必要がある。

画像クレジット:University of Minnesota

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook