政府が発表している「 世界最先端IT国家創造宣言工程表(2014年6月改定)」によると、教育環境のIT化に向け、2019年をめどに電子黒板の導入が進められているのだとか。
2014年6月に日本教育情報化振興会(JAPET)が発表した調査結果によると、電子黒板が学校に1台以上あるというのは全体の75.3%。それなりの普及率にも見えるが、全教室に設置しているというのはわずか4.6%(全教室に設置、全教室と特別学級への設置の合計)という数字。製品価格の高さが導入のボトルネックになっているという。
じゃあ手っ取り早く電子黒板の良さを取り入れるにはどうすればいいのか? 愛媛県にある1919年設立の老舗黒板メーカーであるサカワが出した回答は、既存の黒板と既存のガジェットを組み合わせるというものだった。同社は5月20日、カヤックとともに新しい黒板システム「Kocri」を発表した。
Kocriは画像ファイルや動画ファイルなどの教材を用意し、iPhoneに転送。その内容をApple TVにミラーリングし、さらにプロジェクターを通じて黒板に投影するという仕組みだ。まずは以下の動画をご覧頂きたい。
実際の授業では、アプリを通じて黒板に図形や五線譜などを投影。投影された図形に、チョークでの板書を継ぎ足すようなかたちで使っていく。投影には専用のアプリを利用。料金は5000円を想定するが、5月22日までに申し込めば無料になる。なお実際の提供は7月頃を予定している。
サカワでは、カヤックとともに「みらいのこくばん」プロジェクトというものを進めてきた。その様子はTechCrunchの姉妹サイトであるEngadgetなんかでも紹介されている。Kocriはこのプロジェクトで得られた知見も数多くフィードバックされているそうだ。
現在Kocriのサイトでは前述のアプリの無料提供キャンペーンに加えて、機材一式の無料貸し出しも実施している。こちらの貸し出しも7月からスタートする予定だ。