自動洗浄ウォーターボトルのLARQが10億円超を調達、ブリタ式浄水器もクラウドファンディング中

2018年に最初のボトルを発売したLARQ(ラーク)は、ペットボトルを使わないようにしたい消費者の間でかなりの関心を集めた。このベイエリア拠点のスタートアップは、Nordstrom(ノードストローム)やBloomingdale’s(ブルーミングデールズ)などの販売パートナーの力を借りて、2019年だけで7万5000本のボトルを販売した。その業績をいっそう引き立たせているのが、95ドル(約1万円)という水筒としてはかなりの高額商品だという事実だ。

LARQの価値提案は、そのUV(紫外線)キャップによる殺菌機能だ。学生時代のNalgene(ナルゲン)ボトルの時代から再利用可能な水筒を持ち歩いている1人として、私はボトルの中で成長するカビの森に関する恐ろしい話をいくつか知っている。口の狭い容器では、入念な洗浄が極めて困難だからだ。

同社の製品は投資家の関心も集めている。米国時間9月29日、LARQはSeventureのリードで1000万ドル(約10億5000万円)のシリーズAラウンドを行い、DCMも参加したことを発表した。同社は2019年7月に初期のシードラウンドを行っている。このほどLARQは重要な株主も多数獲得し、Capricorn Investment Group、Heuristic Capital、Augment Ventures、さらにはNBAのゴールデンステート・ウォリアーズのパワーフォワードであるDraymond Green(ドレイモンド・グリーン)氏も名を連ねた。今回のシリーズAで同社の調達資金の総額は1570万ドル(約16億6000万円)になった。

「LARQでは、あなたにとっても地球にとってもふさわしい、新時代の水分補給を提案している」とCEOのJustin Wang(ジャスティン・ワン)氏はTechCrunch宛の声明で語っている。「消費者中心のデザインに最先端技術を組み合わせることで、健康的で持続可能ないつでもどこででも簡単に使える製品を目指している。このビジョンを実現するために、LARQは持ち運べるボトルから家の蛇口まで、そしてその間のあらゆる水分補給の場面で消費者のニーズに答える必要がある」。

LARQのボトルは現在16カ国、88の小売業者が扱っているが、このラウンドによって世界進出をさらに広げることができるだろう。2020年9月に同社は、自社の浄水テクノロジーをBrita(ブリタ)スタイルのフィルターに応用した製品のクラウドファンディングを開始した。本稿執筆時点で目標の5万ドル(約530万円)の13倍以上を集めている。外出する人が少なくなり、ホーム市場がますます重要になっている現在、同社にとって最適な製品に違いない。

 画像クレジット:LARQ

LARQは、このテクノロジーを製品化するまで開発に10年かかったという。低価格商品が次々と参入する市場でどうやってこの会社が進化を続けるのか注目だ。

カテゴリー:EnviroTech

タグ:LARQ 資金調達

画像クレジット:LARQ

原文へ

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。