自動運転システムに対する初のリコール、Pony.aiが同社ソフトのリコール発表へ

米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)によれば、自律走行車両スタートアップのPony.ai(ポニー・エーアイ)はカリフォルニア州で2021年10月に発生した衝突事故を受けて3台の車両に対しリコールを今後発表する。

ロイターが最初に報じたところによると、当局は米国時間3月8日に「これは自動運転システムに対する初のリコールだ」と述べた。

NHTSA局長代行のSteven Cliff(スティーブン・クリフ)氏は声明の中で「自動車を操作するのが人間のドライバーであっても自動運転システムであっても、道路使用者を守る必要があることに変わりはありません。この自動運転システムに対する初のリコールで明らかな通り、NHTSAは自動車メーカーと開発者が安全を最優先に最新のテクノロジーを推進するよう、これからも確実に対応します」と述べた。

トヨタが支援するPony.aiは数カ月間にわたってカリフォルニア州でHyundai Kona(ヒュンダイ・コナ)の電気自動車10台を人間の安全オペレーターなしでテストしていた。その際に、そのうちの1台がフリーモントで中央分離帯と道路標識に衝突した。巻き込まれた他の車両はなく、けが人もいなかったが、この事故を受けてカリフォルニア州車両管理局はPonyの無人テスト許可を一時停止し、NHTSAも正式に調査していた。

書類の中でPony.aiは、当局は同社に対しソフトウェアに安全上の問題があるとの考えを伝えてリコールを要請したと述べている。

Pony.aiによれば、事故車両のソフトウェアの問題は他に2台で発見され、すでに3台とも修正済みだという。同社はソフトウェアのコードを修正したとも述べた。

Pony.aiの広報はTechCrunchに対し「Pony.aiの自律走行車両で事故が発生したのはこの1回限りです」と述べ、これまでに実際に600万マイル(約966万km)以上を自律走行し、2021年にカリフォルニア州で30万5617マイル(約49万km)を走行したと補足した。

当局担当者はTechCrunchに対し、Ponyがテストの一時停止の原因となった問題を修正する適切な行動を完了したとカリフォルニア州車両管理局が確認するまでは、無人テスト許可は停止されると述べた。同社のカリフォルニア州における有人テストの許可は影響を受けない。

数日前の米国時間3月7日にPony.aiは、シリーズDの1回目のクローズ後に評価額が85億ドル(約9775億円)に急上昇したと発表していた。同社の米国トラック部門が事実上解体され幹部数人がライバル企業数社に移るなど米国でとてもうまくいっているという状態ではないが、中国ではトラックとロボタクシーの事業を着実に成長させている。

画像クレジット:Pony.ai

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:Kaori Koyama)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。