自動運転技術開発のAuroraがカリフォルニアで客を輸送できるように

TechCrunchは、Aurora(オーロラ)が米国カリフォルニア州当局から自動運転車両による乗客輸送の許可を得たことを確認した。

カリフォルニア公益事業委員会(CPUC)がAuroraに許可を出した。米国時間1月29日にウェブサイトに掲示され、これによりAuroraはカリフォルニア州の自動運転車両による乗客輸送サービスパイロット事業に参加することになる。

「今回得た許可で、我々はAurora Driverによる乗車を提供する。カリフォルニアと委員会にとって我々は良きパートナーであることを示している」とAuroraの広報は話した。Auroraはいつから客の輸送を始めるのか、詳細は明らかにしなかった。同社のこれまでの取り組みからして、広範なロボタクシーとはならなさそうだ。

Auroraはこれまでロボタクシーサービスの運行を計画したことはない。その代わり、自動運転スタックの構築と車両プラットフォームに統合するためのパートナーとの協業にフォーカスしてきた。Auroraが「Aurora Driver」と呼んでいる技術は、セダンやSUV、ミニバン、商用バン、クラス8大型トラックなど、複数のメーカーが手掛けた6つの車両プラットフォームに統合された。この統合は商業展開されていない。

ピッツバーグ、パロアルト、そしてサンフランシスコに拠点を構えるAuroraは、公道テストに使用する1ダースほどの車両を所有する。同社はChrysler(クライスラー)ブランドのミニバンであるPacificaで自動運転システムのテストを開始し、「今後この車両を改善させていく」と話していた。

Auroraは早くから注目を集めていた。Sterling Anderson(スターリング・アンダーソン)氏、Drew Bagnell(ドリュー・バッグネル)氏、Chris Urmson(クリス・アームソン)氏と、Google(グーグル)、Tesla (テスラ)、そしてUber(ウーバー)で自動運転車両プログラムを率いた著名な3人が共同で創業したからだ。2019年2月にAuroraはシリーズBラウンドで5億3000万ドル(約578億円)超を調達した。本ラウンドはSequoia Capitalがリードし、Amazon(アマゾン)とT. Rowe Price Associatesも巨額を投資した。この超大型の資金調達でAuroraのバリュエーションは25億ドル(約2725億円)超になった。これまでに調達した資金は6億2000万ドル(約676億円)超だ。

CPUCの許可は、カリフォルニア州で自動運転車両をテストするためのカリフォルニア州車両管理局(DMV)が発行する許可とは異なるものだ。現在、65社が同州の公道で自動運転車両をテストするための許可を得ている。

これまでに、AutoX、Pony.ai、Waymo、そしてZooxだけがCPUCの許可を取得していた。Zooxが一番乗りした企業で、2018年12月に取得した。

CPUCの許可取得で、Auroraは客を輸送するのに自動運転車両を使用することができる。ただしいくつか注意点がある。まず、客に料金を請求できない。この点について自動運転車両デベロッパーは変更を求めてロビー活動を行なっている。それから車両の運転席には必ずセーフティードライバーを配置しなければならない。企業はまた、DMV発行の許可も取得する必要がある。

Auroraが取得した2023年1月まで有効の許可では、同社は客を乗せて走行したトータル距離と安全プロトコルをCPUCに報告することになっている。

画像クレジット:Aurora

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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