サプライチェーンには今、とても興味深いことが起こっており、しかもそれはずっと続いている。ただしパンデミックがそれを加速したことも事実だ。テクノロジーのスタートアップたちは、またまた中間業者を排除しようとしているが、今回はサプライチェーンのレベルでだ。彼らにとっての商機は、サプライチェーンをプラットフォームで置換することにある。いうなればそれは「サプライチェーンのプラットフォーム化」だ。
最新例の1つであるColvinは、花き産業のためのプラットフォームで、今回はEurazeoのリードで4500万ユーロ(約58億6000万円)のシリーズCを調達した。Eurazeoは知る人ぞ知るフランスのプライベート・エクイティおよびベンチャーキャピタル企業で、これまでFarfetchやGlovo、ManoManoなどのマーケットプレイスに投資している。他に、同じくフランスのアグテックとフードテックのVCであるCapagroがこの投資に参加した。
D2Cのブランドとしてローンチし、今でもそうであるColvinは最近、プロを狙ったB2Bのカテゴリーも作った。
Colvinの共同創業者であるSergi Bastardas(セルギ・バスターダス)氏によると「2020年はColvinにとって加速の年で、今後の成長のペースを確定したという意味で転機でもありました。Colvinの目標は、花き産業のデジタルトランスフォーメーションをグローバルなレベルでリードしていくことです」という。
Eurazeoの投資ディレクターChloé Giard(クロエ・ジャルド)氏は、次のように話す。
フラワーデリバリーの市場におけるColvinの軌跡はずば抜けています。彼らは、急速な成長と利益が両立することを証明し、しかも市場を地球レベルで拡大しています。これは、花き産業の未来を築こうとする彼らの意欲の、第一歩にすぎません。AnkorstoreやChoco、Sennderなどの例に見られるように、ますます多くのB2Bカテゴリーがオンライン化している今日は、花きの卸売市場に新たなスタンダードを導入する天恵の好機です。Colvinはこの業界における長年の経験と専門的技能とスケーラブルなサプライチェーン、および信頼に足る生産者たちのグローバルなネットワークを生かして、この数十億ドル(数千億円)規模の市場機会を掴もうとしています。
電話インタビューで、バスターダス氏は「オランダには花きと植物の市場の独占体制があります。世界の花きと植物のおよそ65%は、オランダにある巨大なオークションを物理的に通過しなければなりません。それらが、どこで栽培されたかは問われません。この状態が長期に維持されているのは、業界がデジタル化されていないからです。それが、私たちが解決しようとしている問題です。ステークホルダーたちを、もっとダイレクトに結びつけなければなりません」という。
彼によると、同社は生産者と顧客をB2Cのプラットフォームで結びつけた。「今度はB2Bのソリューションを構築して、卸と小売など生産者同士を結びつけ、不必要な中間業者をテクノロジーの力で回避しなければなりません」。
あなたは業界の邪魔者になりますね、と尋ねたら彼は「確かにそうですね。中間業者たちは今、私たちに対して頭にきているからね」と答えた。
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カテゴリー:その他
タグ:Colvin、資金調達、フランス、観葉植物、B2B、花
画像クレジット:Colvin
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(文:Mike Butcher、翻訳:Hiroshi Iwatani)