*お気に入りのナツメロを流しながら読んでいただきたい*
私の若い頃、有名スポーツ選手が引退するときには、テレビカメラの前に座り、家族全員を左右に座らせて記者会見を開いたものだ。
たとえば1993年にマイケル・ジョーダンが最初に引退を表明したときがそうだった。ジャーナリストが黒山のように群がって質問を浴びせていたテレビ画像をよく覚えている。
もしジョーダンが今の時代、つまり「デジタル時代」の選手だったら引退発表はどんな具合になっていただろう? ちなみにジョーダンのTwitterアカウントJumpmanには250万人のフォロワーがいるが、ジョーダンはファンとは交流しない。何か個人的な情報を投稿したのも見たことがない。 パーソナルな要素は一切なしだ。
一方、同じバスケットボールの有名選手でもコービー・ブライアントに792万人のフォロワーと密接に交流している。
今日(米国時間11/30)、ブライアントはお決まりの記者会見を飛ばして(今のところは、ということだが)、ファンに対してNBAから引退すると決めたことを発表した―
つまり、Twitterを通じてだ。
ブライアントがメッセージに貼ったリンク先は偉大な野球選手だったデレク・ジーターのサイトだ。ヤンキースの現役時代、ジーターはありとあらゆるプレッシャーに打ち勝ってきた。ジーターが引退後にスタートさせたサイトがThe Players’ Tribuneで、スポーツ選手がフィルターを通さず、ファンに対して直接情報を発信できるようにしたものだという。ブライアントの例をみてもこのサイトは機能しているようだ。
ブライアントのツイートは 3万3796回リツイートされた。これは選手の引退をたとえばESPNのようなスポーツチャンネルの番組で眺めるのとは全く異なった世界だ。レイカーズで20年もプレイしてきたブライアントの引退は早くから予期されていたものでショックではないが、引退を決めたときにまずそのことをソーシャル・ネットワークでファンに知らせようとしたことには驚かされる。
この投稿(テレビは画面にツイートを映した)をフォローして―タイムスタンプによればほんの数分後だ―ブライアントはFacebookにも同内容の簡単な投稿をした。こちらは 23万回の「いいね!」を受けている。.
ブライアントの投稿を読むにつけて、われわれ皆が「行動が起きる場所」を共有する自体に生きていることを感じる。われわれが尊敬し、その尊敬の念を他のファンとも分かちあってきた選手がこれほど身近に感じられる時代はいまだかつてなかったに違いない。
ちなみに、NBAも急いでコメントをTwitterに投稿し、コミッショナーの声明のリンクを貼った。
〔日本版:ブライアントがファンに向かって書いた手紙の全文は原文参照。〕
Featured Image: evergreenkamal/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)