買い物代行のInstacartもショッパーにマスク、消毒剤、体温計を配布へ

Instacart(インスタカート)はフルタイムで働くショッパー(Instacartで買い物品を顧客に届ける人のこと)への健康・安全キットの配布を開始する。同社は2日、キットにはフェイスマスク、手指消毒剤、体温計が含まれると明らかにした。

このキットは来週から無料でショッパーに提供される。Instacartによると、ショッパーはInstacartショッパー電子メールで登録してキットをリクエストできる。需要に対応するため、同社は毎日在庫をアップデートする。店内での買い物業務を担うショッパー向けには、それぞれの小売店舗のショッパーにフェイスマスクを提供する。

「手指消毒剤やフェイスマスクのような個人用保護品は入荷が遅れ、また世界的に品薄になっているが、それらをヘルスケアワーカーから奪うことなく積極的に確保するために当社のチームは昼夜問わず取り組んでいる」とInstacart会長のNilam Ganenthiran(ニラム・ガネンティラン)氏は声明で述べた。「グローサリーや日用品の入手で頼れる必須のサービスを我々は顧客に提供したい。その一方でInstacartのショッパーに安全でフレキシブルな収入の機会を提供する。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が拡大するにつれ、今日の健康や安全のためのソリューションは、明日のために必須のものだ。当社のチームは、ショッパーコミュニティがこうした状況でも守られるよう、新しいサービスや機能を導入すべく素早く取り組んでいる」。

今回の発表は、一部のギグワーカーによるストライキが展開されている中でのものだ。3月27日、Instacartショッパーのグループはストライキの計画と同社が要求に応じるまで職場復帰しないと発表した。労働者に個人用保護品を無料で提供すること、オーダー1件あたり5ドル(約540円)の危険手当を上乗せすること、デフォルトのチップを10%にすること、疾病手当を新型コロナの影響を受けやすい持病を抱えている人にも適用すること、そうした福利厚生の資格申し込みの期限を4月8日以降に延ばすことを要求している。

これを受けInstacartは申し込み期限を延ばし、デフォルトのチップを顧客が払うチップ額に設定した。しかしこれでは十分でないとショッパーは話す。Mediumへの投稿の中で、労働者はInstacartの対応を「侮辱的」で「質の悪い冗談」と形容した。

「行動を起こすのにこんなに時間がかかるとは、まったく忌まわしい。しかしストライキがInstacartの行いを変えるのに効果的であることがわかったのは収穫だった」と投稿に書いた。

労働者への危険手当や新型コロナでかなりのリスクを負う人への支払いはまだだ。労働者に不穏な動きが広がる中で安全プロトコルを引き上げる企業はInstacartだけではない。Amazon(アマゾン)は、倉庫で働く従業員やWhole Foods(ホールフーズ)の従業員向けにサージカルマスク配布を開始すると明らかにした。

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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