押すと自動的にドアが開くボタンやプレートがあると建物のアクセス性はよくなるが、常に最良のソリューションとは限らない。上体の動きが自由でない人が車いすに乗っていると、ボタンは押しづらいだろう。ボタンの位置が高すぎたり低すぎたり、あるいはドアから遠すぎて閉まってしまうこともある。
Portal Entrywaysは、そういう既存のボタンをもっと使いやすくする。同社が作ったデバイスをボタンの上にかぶせると、車いすの人が近づけばドアが自動で開き、開いた状態を維持する。ボタンを前と同じように単純にボタンとして使うこともできる。
Portalの製品には二つの部位があり、ひとつは既存のドア開閉システムにくっつけるBluetooth Low Energyのデバイス、もうひとつは車いすのユーザーのスマートフォンで動く付属アプリだ。アプリはそのBluetooth Low Energyデバイスを探す。通信範囲内にひとつ見つけたらコマンドを送ってドアを開き、ユーザーがその出入り口を通過するまでドアを開いたままにする。Portalを装備している出入り口にはステッカーがあるので、ユーザーは自分が近づけば開くとわかる。
PortalはY Combinatorの2019冬季クラスに参加している。でもその始まりはブリガムヤング大学のイノベーション事業における学生プロジェクトで、その課題は、現実世界の問題を解決すること、だった。共同創業者のSam Lew氏によると、最初彼らは建物のアクセシビリティとは全然関係のない、物流関連のプロジェクトを始めた。でもキャンパスで、友だちがドアを開ける時間のスケジュール表を作ったり、手が届かないボタンを押してあげている人物に会ったとき方針を変えた。
まだ始まったばかりだが、彼らは早い成功をねらっている。これまで250台近くのデバイスを据え付けたが「今月中に1250台ぐらいの契約を取りたい」と言っている。
今は、同社の創業者たちが自分でデバイスの据え付けをやっている。ボタンもモーターもドアによってまちまちだ。有線で接続しているところもあれば、すべてワイヤレスのところもある。それらすべてに接続するには、今のところ特殊な知識がいる。しかし共同創業者のJosh Horne氏によると、既存の人気製品のほとんどすべてで動作する。「骨董品でなければ動くはずだ」と彼は言う。
同社が今集中しているのは、大学やモールなど公開的な施設建物のドアだ。どれぐらいの使用料にするかまだ決めてないが、ドア1つにつき1年で100ドルか200ドルぐらいを想定している。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)