車速やエンジン回転数といったデータ情報を取得するために自動車に備え付けられた「OBD-IIコネクタ」。そのコネクタに専用のデバイスを接続し、BLEでデータをスマートフォンのアプリに飛ばし、さらにアプリ経由でクラウドに保存。自動車の“健康診断”ができるサービスが登場している。
海外では「AUTOMATIC」「Dash」などいくつかのサービスがあるが、日本でこの領域に挑戦しているスタートアップがスマートドライブだ。デバイスで得られる情報をもとに燃費などを確認できるだけでなく、急加速や急ブレーキを判定して「危険運転」を知らせてくれるところから、将来的には渋滞や事故の予測・回避までを目指すという。そんな同社が10月28日、その専用デバイスである「SmartDriveデバイス」とサービスを組み合わせた「DriveOn」の先行販売をサイバーエージェントクラウドファンディングのクラウドファンディングサイト「Makuake」上で開始した。デバイスの価格は7500円から。商品は2015年12月にユーザーの手元に届く予定だ。
スマートドライブの設立は2013年10月。これまでにベンチャーキャピタルのANRI(シード)や産業革新機構(シリーズA:マイルストーン達成で最大6億6000万円)から資金を調達している。総務省主催の新事業創出支援プログラム「I-Challenge!:ICTイノベーション創出チャレンジプログラム」の1号案件に採択されているほか、アクサ損害保険との業務提携も実施。次世代型保険の共同開発に向けたトライアルも行っている(ドライバーの運転特性に応じて保険料が割引される「テレマティクス保険」の開発をしているのだろう)。
スマートドライブ代表取締役の北川烈氏によると、同社はすでに保険会社やディーラーなどの法人向けには試験的なサービスを進めているのだという。だがそれではせっかくのプロダクトも限られたユーザーしか利用できない。そこで2016年からは一般販売も予定しているそうで、今回それに先駆けてMakuakeで先行販売するに至った。
将来的にはECだけでなく家電量販店や自動車用品店などの店舗販売、保険のほかディーラーやガソリンスタンド、整備工場などを通じたBtoBtoCモデルでの販売も予定している。エンタープライズ向けのソリューション開発も進めているそうで、2016年以降は商用車やバス、タクシー、トラックなどもターゲットにプロダクトを開発していくという。