Safeway(セーフウェイ)やJewel-Osco(ジュエル・オスコ)を展開するグローサリー大手のAlbertsons Companies(アルバートソンズ・カンパニーズ)は、シリコンバレースタートアップTortoise(トートイズ)が開発したリモート操作の配達ロボットを使ったグローサリー配達パイロットプログラムを立ち上げた。
配達試験は北カリフォルニアにあるSafeway2店舗で開始するが、もし成功すれば他の店舗にも拡大し、西海岸全域で試験を行うかもしれない、とTortoiseの共同創業者で会長のDmitry Shevelenko(ドミトリー・シェべレンコ)氏は述べている。
Tortoiseのセンサーとソフトウェアを搭載するSafewayブランドの配達カートは店舗から3マイル(約4.8km)内の顧客に商品を届けることができる。何千マイルも離れたところから遠隔操作するオペレーターが配達カートを目的地まで誘導する。
ロック可能な4つのコンテナに最大120ポンド(約54kg)のグローサリーを載せることができる配達カートは、まずは人間のエスコートつきで展開される。試験がうまくいけば、そうしたガイドを排除することを目指す。配達ロボットが到着すると、顧客は外に出てグローサリーをピックアップするようテキストメッセージを受け取る。
今回の試験は大規模小売店が顧客により早く商品を届けようとテクノロジーを導入する最新の事例だ。Amazon(アマゾン)、Kroger(クローガー)、Walmart(ウォルマート)なども配達ロボットを実験し、また顧客への配達あるいは配送ネットワーク内で商品を動かすのに自動走行車両を使っている。
「当社のチームは、顧客にさらなる利便性を提供できる革新的なテクノロジーを試すことに夢中です」と副社長で最高顧客・デジタル担当責任者のChris Rupp(クリス・ラップ)氏は声明で述べた。「業界で最も簡単で便利な買い物エクスペリエンスを提供すべく、画期的なイノベーションをすばやくテストして学習し、導入することに前向きです」。
この配達試験はまた、Tortoiseの配達カートへの参入の証でもある。同社が1年弱前に参入した分野だ。
「4月までこうした考えはありませんでした」とシェべレンコ氏は最近のインタビューで話した。同氏によると、2020年10月にロサンゼルスで最初の配達カートを立ち上げた。
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Tortoiseは、遠くにいる遠隔オペレーターが電動スクーターやバイクをライダーの元へと動かしたり、正しい駐輪スポットに戻したりできるよう、電動スクーターにカメラやエレクトロニクス、ファームウェアを装備して事業を開始した。2020年春、新型コロナウイルスパンデミックによって配達サービス需要が生まれ、Tortoiseは同社のテクノロジーをグローサリー運搬カートに適用した。
「Amazon Primeのサービス開始後、多くの人が2日での配達を期待するようになった後では、7日というのは『一生』のように感じられます」。現在、同日配達が期待されるようになり、2日での配達も「一生」のように感じてしまいます、ともシェべレンコ氏は付け加えた。
Tortoiseはまず、オンライングローサリープラットフォームとの提携を通じて近所の店や専門ブランド店にフォーカスした。シェべレンコ氏の戦略は、小規模で独立した店舗にリーチできるオンラインコマースプラットフォームとの提携を維持しながら大手小売店と提携を結ぶというものだ。
カテゴリー:ロボティクス
タグ:Albertsons、Tortoise
画像クレジット:Tortoise/Albertsons
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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi)