配送料一律250円で注文から30分で自宅に届くデジタルコンビニ「QuickGet」、運営元のレキピオが総額1.7億円を調達

デジタルコンビニ「QuickGet」(クイックゲット)を運営するレキピオは9月16日、同サービスを正式リリースした。なお、昨年12月ごろから一部ユーザーに向けてベータリリース済みで、すでにサービスは稼働している。

オレンジが9月21日から、紫は9月28日からの拡大エリア

サービス提供エリアは、東京の港区と渋谷区の一部エリア。営業時間は9時~24時。配送料は一律250円。具体的な対象地域は以下のとおり。iOS版Android版のアプリ、もしくはウェブサイトから注文できる。

港区
六本木、⻄麻布、南麻布、東麻布、麻布十番、元麻布、麻布台、赤坂、南⻘山、北⻘山、麻布狸穴町、麻布永坂町、三田1〜5丁目、⻁ノ門1〜5丁目、白金1〜6丁目、芝公園1〜4丁目、愛宕1〜2丁目、芝3丁目、西新橋1〜3丁目

渋谷区
広尾、東1〜4丁目、渋谷1〜4丁目、恵比寿1〜4丁目、恵比寿西1〜2丁目、神宮前1〜4丁目、6丁目、千駄ヶ谷2丁目、桜丘町、鶯谷町、代官山町、猿楽町

千代田区
霞ヶ関1〜3丁目

9月21日以降には、港区、渋谷区、千代田区のエリア拡大のほか、品川区、新宿区の一部もエリアに加わる予定だ。

QuickGetは、配送料一律250円で注文から30分で自宅に届けるサービスで、現在は東京都の港区、渋谷区を中心にサービスを展開している。取り扱い製品は、コンビニなどで販売されている食品やアルコール類、日用品などで、価格は商品によっては安かったり、高かったりするが、おおむねコンビニなど同レベルとのこと。ベータリリース時は、港区の六本木エリアのみでアプリ内累計流通額が数千万円を超えたほか、中には1カ月に数十万円使うユーザーもいたそうだ。

コンビニなどからの自宅配達は、ローソンとUber Eatsの提携で一部地域で実施されているが、QuickGetは六本木に自社倉庫を構え、そこから専属の配送ドライバーが配送するという仕組み。専用倉庫では、高級スーパーで販売されているワインや、近隣の飲食店から仕入れたおにぎりや弁当などを含め、常時1000点以上をラインアップしているという。同社代表取締役の平塚登馬氏は「六本木の拠点倉庫だけで、15軒ほどのコンビニの営業エリアをカバーできます」とのこと。

一般的なコンビニの実店舗では、POSシステムで「何が」「いつ」「何個」売れたのかという購入データと、店員の主観的判断による性別・年代などの属性データが紐付けられるのみだが、QuickGetでは事前にユーザー登録が必要なため、誰がいつ何を買ったかを完全に紐付けることが可能だ。つまり、詳細な顧客属性や購買サイクルなどのデータに基づいた最適なマーチャンダイジングが可能とのこと。「在庫している商品の多くは長期保存できるもの多いですが、牛乳や食パン、弁当、おにぎりなど賞味期限の短い商品についてもユーザーの購買データなどを分析しながら毎日仕入れています」との平塚氏。また、六本木エリアでは夜に働く人も多いため、出勤前の夕方の時間帯に甘い菓子のオーダーが多く入る傾向もあるという。そのほか、健康に配慮した食品や飲料、グッズなどが売れ筋だという。

宅配サービスとしては配送料一律250円は低価格な部類に入るが「Uber Eatsなどの店頭価格+配送料という料金形態ではなく、商品はすべて卸価格で自社で仕入れるビジネスモデルのため、配送料を高く設定しなくてもマネタイズが可能」とのこと。配達ドライバーも自社でアルバイトを雇用しており、すべて原付バイクで配送を担当する。平塚氏は「フードデリバリーサービスと根本的に異なるのは、QuickGetでは複数のユーザーが注文した商品を混載してルート配送できる点で、配送時間と配達スタッフの効率的化が可能です」と語る。今後、注文数が増えれば、トラックなどでのルート配送も考えてるいるという。

また、運営元のレキピオは1億7000万円の資金調達も発表した。増資と融資による調達で、第三者割り当て増資の引受先はUB Ventures、マネックスベンチャーズ、サイバーエージェント・キャピタル、FGN ABBALab、F Ventures LLPのほか、個人投資家の赤坂 優氏、中川綾太郎氏、吉田浩一郎氏。融資元は日本政策金融公庫。

レキピオでは今回調達した資金を、QuickGetの正式リリースに伴う事業拡大に向けた採用活動に投下するという。拠点倉庫のある六本木から30分で配送できるエリアはまだまだ開拓の余地があり、エリアを拡大していくという。また今後は、フードデリバリーや買い物代行など周辺領域へも参入するとのこと。

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TechCrunch Japan

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