防犯カメラ解析AIを万引き防止に活用する「VAAK EYE」。同サービスを提供するVAAKは4月20日、目社名非公開のVC1社から5000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。
VAAKは機械学習で防犯カメラの映像を解析するスタートアップ。このシステムを万引き防止という目的に合わせてサービス化したのがVAAK EYEだ。
同サービスでは防犯カメラの映像を解析し、万引き犯特有の不審行動を検知する。不審行動はリアルタイムに通知するほか、不審人物が次にいつ来店するのか再来店時刻を予測できる機能を搭載。これにより従業員や万引きGメンが万引きを事前に防ぐことも可能になる。
VAAK代表取締役の田中遼氏によると「防犯カメラの映像から人の詳細行動を認識する解析技術が強みで、これにより不審行動の検出制度が高くなる」という。とはいえ現在は実証実験に着手し始め、3月にベータ版を公開したところ。大手企業含め複数の実証実験が決まっているほか、正規の顧客もすでにあるそうで、今月末から活用を本格化し精度の検証やブラッシュアップを行っていく。
その結果も踏まえつつ、6月ごろに正式版を公開する予定だ。
近しいサービスはいくつかあるが、専用のネットワークカメラが必要になるケースも多い。VAAK EYEの場合は既存の防犯カメラの映像をそのまま活用できるため、導入のハードルやコストを抑えられる点も特徴だ。
まずは万引き防止サービスとしてSaaSモデルで提供しつつ、今後は防犯カメラの解析結果を店舗のマーケティングや「Amazon Go」のようなレジなし決済にも展開できるように、機能開発を進めていくという。
VAAKは2017年11月の設立。代表の田中氏は学生時代から起業経験があり今回が3社目になる。「社会貢献性とスケーラビリティの高い事業」という観点で領域を検討したのち、行動解析に軸を定めVAAKを創業した。