電子タバコのJuulが大量解雇発表、同日に汚染品出荷の疑いで訴訟中との報道

Juul(ジュール)の元幹部は訴訟で、同社が今年初めに小売業者に出荷した約100万のポッドで、汚染された電子たばこリキッドが使用されたことを知っていたにもかかわらず、顧客に通知しなかったと主張した。BuzzFeedが最初に報道した訴訟では、2018年5月〜2019年3月までJuulのグローバルファイナンス担当上級副社長だったSiddharth Breja(シダース・ブレジャ)氏が、汚染されたポッドについて不満を示した後に自身が解雇されたと主張している。

訴訟は、Juulが約500人を解雇すると発表した日に報道された。500人は従業員の10%〜15%に相当する。CFOのTim Danaher(ティム・ダナハー)氏を含む4人の重役も同時に会社を去る。Juulを現在調査している米食品医薬品局は、同社が10代の若者をターゲットにして自社製品に関して誤解を招くような声明を出したと指摘した。

ブレジャ氏は訴訟で、小売業者に出荷された25万セットのリフィルキット(100万個のポッドに相当)に、汚染されたミントの電子たばこリキッドが使われていたことを3月12日の会議で知ったと主張した。

ブレジャ氏はまた、会社が製品のリコールや安全衛生に関する通知の発行を拒否したことについてダナハー氏が不満を表明した際、そんなことをすれば数十億ドルの売り上げを失い、当時380億ドル(約4兆円)のバリュエーションがダメージを受けるとダナハー氏が述べた、と主張している。ブレジャ氏は、その約1週間後に解雇され、それは同氏がUberの元CFOだと偽ったためだと会社から説明を受けた、と主張している。ブレジャ氏は訴訟で「会社の主張は「馬鹿げた」ものであり、Uberの1部門のCFOだったと明確に説明した」と主張した。

ブレジャ氏は訴訟で、Juulがほぼ1年前のポッドを販売しようとしたため、同氏が使用期限、賞味期限、パッケージの製造日などを記載するよう提案したとき、元CEOのKevin Burns(ケビン・バーンズ)氏が「我々の顧客の半分はバカみたいに酔っ払っているか電子たばこを吸っているかだ。だれが我々のポッドの品質に気付く?」と言ったと主張した。

Juulの広報担当者はメールで「ブレジャ氏の主張には根拠がない。同氏は求められていた役割に必要なリーダーシップを発揮できなかったため2019年3月に解雇された。Juul製品の安全性の問題に関する主張については訴えの利益がない。当社は関連する製造上の問題を調査済みであり、製品が該当するすべての仕様を満たしていると判断した。会社は断固としてこの訴訟を戦い抜く」と述べた。

TechCrunchはJuulとブレジャ氏を担当する法律事務所にコメントを求めた。ブレジャ氏の弁護士Harmeet Dhillon(ハーミート・ディロン)氏はBuzzFeedへの声明で「ブレジャ氏は社内の問題ある動きに気付き、社内でそれを報告し、株主と取締役会に対する義務を果たした。それと引き換えに、彼は不当に解雇された。彼が提起した問題が重要なのは公共の安全に関わるからだ」と述べた。

9月にJuulの筆頭株主Altriaの役員だったK.C. Crosthwaite(K.C. クロスウェイト)氏がバーンズ氏の後を引き継いでCEOに就任した。ダナハー氏の後任CFOはまだ発表されていない。

画像クレジット:EVA HAMBACH / AFP / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。