養蜂家にクラウドとWebから巣箱の状況データを提供するBeezinga

養蜂業はテクノロジと無縁なようだが、でもそれは合衆国だけでも年商3億ドル近いビッグビジネスであり、また世界の養蜂業には今、テクノロジが徐々に浸透しつつある。Microsoftの学生テクノロジコンペImagine Cupにスロベニアから出場してファイナリストに残ったBeezingaは、標準的な巣箱のためのセンサシステムを作った(養蜂用のミツバチの巣箱には世界標準がある)。そのシステムは巣箱の中の温度や湿度を計り、蜜の生産量を(重量で)調べ、また巣箱の入り口に設置したビデオカメラにより蜂たちの活動をモニタする。

概算の設置費用は巣箱一箱あたり40ドルだ。この値段なら養蜂企業が喜んで払う額だろう、とBeezingaは考えている。システムは目下ベータテスト中だが、本番では会費制を考えている。

巣箱のデータは一定の時間間隔でBeezingaのクラウドに送られ、養蜂家たちはWeb上で蜂たちの状況を知る。また、異状が検出されたらリアルタイムでアラートが行く。遠隔地の養蜂家には携帯電話のデータ接続を使ってデータを送る(一台の携帯で複数の巣箱に対応)。また電話などを使わずに、巣箱から直接、無線でデータが送られる方式も、検討中だ。

Beezingaがクールなのは、データの分析をするだけでなく、巣箱がほかの蜂から攻撃された時の防御ができることだ。システムは音声を分析することによって攻撃を感知し、巣箱の前面に水を噴霧して敵を撃退する。たいていの場合、それぐらいで十分だそうだ。

蜂たちの集団崩壊という異常事に関してBeezingaは、世界中の養蜂家からデータを集めて大きなデータベースを作り、研究者たちに蜂の生態に関する資料として提供したい、と言っている。

Imagine Cupのファイナルは今サンクトペテルブルグで行われている。すでにプレゼンは昨日(米国時間7/11)までの2日間で完了し、明日の発表を待つのみだ。今年の優勝/入賞者は、どこの国の学生たちだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。