中国は10年後にAIの世界的リーダーになるという目標を掲げており、近年、スマートドライブのスタートアップ企業においては国家資金に事欠くことはない。資金面で最新の後押しを得たのは、以前はIntel Labs Chinaの所長だったGansha Wu(ガンシャ・ウー)氏を含むテック業界ベテランのグループによって設立された北京に拠点を置く企業、Uiseeだ。
Uiseeは中国時間1月25日に、国家製造業変革・向上基金(National Manufacturing Transformation and Upgrade Fund)を含む投資家からの10億元(1億5000万ドル、約160億円)を超える資金調達ラウンドを完了したと発表した。前出の基金は、中国の財政部を筆頭株主として、同国製造業のバリューチェーンを促進し、アップグレードするために2019年に設立された210億ドル(約2兆1789億円)の政府系ファンドだ。
発表によると、5年前に設立されたUiseeは、同ファンドがこれまでに支援した初めての自律走行技術企業であり、公共交通機関や物流部門の推進に貢献し、中国における自律走行事業の「ベンチマーク」になることが期待されていると、ファンドのマネージャーは声明で述べている。
より高度なレベル4運転の開発に投資しながら高度なドライバー支援システムを販売しているMobileyeや中国のMomentaとは異なり、UiseeはADASを飛躍させ、無人運転に特化していると共同創業者兼CEOのウー氏は以前のインタビューで語っている。
Uiseeは、ロボタクシーや市バスから空港や物流ハブに至るまで、さまざまなケースに技術を提供している。香港国際空港では、Uiseeのソリューションを使用して荷物用トラクターの自動化を行っており、国営自動車メーカーのFAW Group(中国第一汽車)、Dongfeng Motor(東風汽車)などと並んで、大手顧客の一握りを確保している。
非公開の「産業投資家」も多数参加している今回の新たな資金注入により、Uiseeは研究開発を強化し、研究開発を強化し、さらに大きな規模で業界の収益化を推進することができる。同社によると、SAIC Motor(上海汽車)、ゼネラルモーターズ、Wuling Motors(五菱汽車)の3社による合弁会社が、同社の技術を使い、物流ハブ内で安全運転手なしで30万キロの車両運行を可能にしたという。
既存の投資家には、昨年のUiseeのシリーズBラウンドに参加したドイツの電子機器大手Boschのほか、深圳政府出資のShenzhen Capital Groupや中央政府出資のCCI Investmentが含まれている。
他の中国のスタートアップも、スマートドライブソリューションを加速させるために、ここ数ヶ月で多額の資金調達を受けている。例えば、2021年の初めに3億1000万ドル(約321億7000万円)のシリーズBラウンドを終えたWeRide、12月に1億5000万ドル(約155億7000万円)を調達したチップメーカーHorizon Robotics、11月に2億6700万ドル(約277億円)を調達したPony.ai、そして昨年5月に自律運転に特化した新事業体のために5億ドル(約518億9000万円)を調達した配車サービスプラットフォームDidiなどがあげられる。
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カテゴリー:モビリティ
タグ:中国 資金調達
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(翻訳:Dragonfly)