駆け足で振り返るDropboxの歴史

Dropboxが初めてスタートアップシーンに登場したのは、2007年の夏の、Y Combinator Demo Dayでのことだった。その後同社は成長を続け、何億人ものユーザーを抱え、その評価額も100億ドルを超えた。このことで皆が期待してきたIPOのための機は熟したのだ。

しかし、このクラウドストレージ企業は、成功への道のりで沢山の競合相手を打ち負かしながら、どのように勝ち残ってきたのだろうか?Dropboxの歴史を駆け足で振り返ってみよう。

1/13:YCでDropboxがデビュー

CrunchbaseではDropboxの設立は2007年6月となっているが、このスタートアップが最初にTechCrunchのレーダーに補足されたのは、8月に開催されたYC Demo Dayでのことだ。このとき私たちはDropboxを以下のように紹介している:「デスクトップファイルをウェブ上に同期し、ファイルのバックアップを行い、任意の場所からのアクセスを提供し、ファイル共有を簡単にするための、(Mac/Win用の)透過的なファイル管理システムを開発している」。

2/13:成長の始まり

2007年の末に、DropboxはSequoiaから、程よい金額の120万ドルのシード資金を調達した。しかし私たちは2008年の春までは同社についてあまり耳にすることはなかった。そして人びとが競合相手であるBox.net(現在のBox)やMozyなどよりも、Dropboxが実際に選ばれるものの1つだと囁き始め、同社の快進撃が始まった。

共同創業者でCEOのDrew Houstonは後に、Disruptの前身であるTechCrunch50の壇上に招待されている。

3/13:100万人のユーザー

Dropboxは2008年にSequoiaが主導したシリーズAで、さらに600万ドルを調達した。しかしテクノロジー関係のプレスはそのことについて丸1年の間知らないままだった。CEOのDrew Houstonは、当時TechCrunchに対して、ユーザー数が25%増えたと語っている、その理由の一部は同社が公開した新しいiPhoneアプリのおかげだった。

2009年の春に、同社の会員数は100万人に達した。

4/13:更なる発展と大物の雇用

Dropboxは1年足らずで会員数を4倍にし、有名テクノロジー企業からの雇用を開始した。例えばSalesforceからはAdam Grossをマーケティングとセールス担当副社長として迎え入れている。

5/13:大金が投入された

2011年9月、TechCrunchはDropboxが多額の資金注入を行おうとしているという記事を書いた。このときの企業評価額は40億ドルで、Index Venturesに主導されたシリーズBで2億5000万ドルが調達された。

TechCrunchの情報源から伝えられるところでは、かつてAppleは同社に対して「9桁(億)」での買収を提案したという。CEOのDrew Houstonにとって、スティーブ・ジョブズに対して「No」ということは簡単ではなかったことだろう、but look where it got him.

6/13:DropboxがCrunchiesを受賞

Crunchiesはもう行われていないが、その歴史は残されている。これは今はもう存在していない年次のシリコンバレーアワードで、最大のテクノロジー企業や創業者たちが壇上に登った。2012年には、Dropboxの共同創業者のDrew HoustonとArash Ferdowsiが、同年のBest Overall Startupを受賞した。

さらにDropboxは”Best Cloud Service”(最高のクラウドサービス)でCrunchiesを受賞し、Houstonも”Founder of the Year in 2012″(2012年の創業者)の次点に入った。

7/13:Dropboxはさらに人気を博した

それまでに調達した資金のおかげで、Dropboxは膨大な数のメンバーをクラウドファイルの世界に引き込むことができた。2012年11月には1億人のユーザーがいた。その1年後にはサイズは倍増し、2億人となった。同社はGoogle、Facebook、その他の大手テクノロジー企業のトップタレントたちをヘッドハンティングしはじめた。

8/13:Dropboxはさらに資金を得た

Dropboxが、その急成長する競合相手のBoxを打ち負かすために、BlackRockその他から3億5000万ドルという巨額の資金を調達したことで、2014年の1月にはさらに多額の現金が流入した。

ウォール・ストリート・ジャーナルとRecodeの両者は、その当時同社に対して100億ドルの評価額を付けた。

9/13:Dropboxがリスクを取って、5億ドルを借り入れ

2014年の後半にはJPMorganがDropboxに5億ドルを貸し付けた。その当時、BoxがIPOを目指しており、Dropboxはそのクラウドストレージ競合相手と歩調を合わせるために、資金を必要としていたのだ。

10/13:Dropboxのキャッシュフローが黒字に

2016年、Dropboxは重要なファイナンシャルマイルストーンを達成したと発表した。キャッシュフローが黒字へと転じたのだ。「自分の目的を決めることができるようになったということです」とHoustonは語った。彼はまた、同社は株式公開を急いでいないことを強調した。

11/13:Dropboxは10億ドルの収益が予想できることを発表した

Dropboxは2017年の収益が、10億ドルに達する見込みであることを発表した。これはIPO前の企業としては、特にそのほとんどのユーザーがプロダクトに対して支払いを行わい企業としては、大きな数字である。エンタープライズユーザー向けに成長しているDropbox Businessカテゴリが、この大きな販売マイルストーンを達成するために役立っている。

12/13:そして新たな資金借入

前回の借入から3年後の2017年3月に、DropboxはJPMorgaから新たに6億ドルの借入れを行った。これにより同銀行に対する負債額は11億ドルとなった。

スタートアップ(とまだ呼ぶことができるのなら)の評価額は、100億ドルにとどまっている。

13/13:DropboxがIPOを申請

Dropboxは2018年2月に、待望のIPOを申請したことを明らかにした。同社にによれば、現在5億人の登録ユーザがおり、そのうちの1100万人が有償でサービスを利用しているということである。2017年の同社の収益は11億ドルとなり、損失として1億1200万ドルが計上されている。同社の公開は3月後半になる予定だ。

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(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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