Land Rover(ランドローバー)は、そのラインナップに高級SUV「Range Rover(レンジローバー)」の電気自動車を、2024年に加える計画があることを明らかにした。
この発表は、第5世代モデルにあたる新型レンジローバーの公開に併せて行われた。デザインが一新された新型レンジローバーは、無線によるソフトウェア・アップデートのサポートなど新たな技術を満載しており、プラグイン・ハイブリッド車や電気自動車にも対応するその新開発のフレキシブルなアーキテクチャは、ランドローバーから将来登場する新型モデルのベースとしても使われる予定だ。
ランドローバーは、この近々登場する電気自動車について、多くの情報を開示していない。だが、ブランドの親会社であるJaguar Land Rover(ジャガー・ランドローバー)の動きを観察していた人であれば、この事態を予測していたかもしれない。振り返れば2017年に、JLRはJaguar(ジャガー)とランドローバーの両ブランドから2020年以降に発表されるすべての新型車に、電気自動車またはハイブリッド車を設定すると述べていたからだ。
ランドローバーによると、新型レンジローバーは、まずマイルド・ハイブリッド・バージョンが発売になり、やや遅れて(米国では2023年に)プラグイン・ハイブリッド・バージョンが追加されるという。
2023年に登場するExtended Range(エクステンデッド・レンジ)プラグイン・ハイブリッドは、48ボルトのマイルド・ハイブリッド技術を採用した直列6気筒エンジンと、105kWを発生する電気モーター、そして38.2kWh(使用可能容量は31.8kWh)のリチウムイオンバッテリーを搭載し、システム合計で最高出力440psを発生。電気のみで最長100kmの距離を走行可能だ。
2022年に発売になる新型レンジローバーには、標準 / ロングホイールベースのボディ、6気筒/ 8気筒のパワートレイン、2列5人乗り/ 2列4人乗り/ 3列7人乗りの座席オプションなど、さまざまなバリエーションが用意されている。
米国向けの2022年モデルでエントリーグレードとなるマイルド・ハイブリッドの「レンジローバーP400 SE」は、最高出力400ps、最大トルク550Nmを発揮する3.0Lガソリンターボ直列6気筒エンジンを搭載し、ベース価格は10万4000ドル(約1180万円)。そして最上級グレードは、ロングホイールベースのボディに最高出力530psと最大トルク750Nmを発揮する4.4LガソリンツインターボV8エンジンを搭載した「P530 First Edition」で、こちらは16万3500ドル(約1860万円)からとなっている。いずれも価格には税金およびディーラーまでの輸送費1350ドル(約15万円)は含まれていない。
新型レンジローバーにおけるもう1つの注目すべき技術的なハイライトは「Electrical Vehicle Architecture(EVA 2.0)」と呼ばれる新しい電気系アーキテクチャが採用されたことで、これによって70以上の電子モジュールにおける無線ソフトウェアアップデートが可能になったという。つまり、ランドローバーはこの無線アップデートを介して、新型レンジローバーに新しいアプリなどの機能を追加したり、既存の機能を改良したりできるようになるということだ。これはテクノロジー中心の時代に対応したいと考える自動車メーカーにとって重要な機能である。
新型レンジローバーには、音声アシスタントとしてAmazon Alexa(アマゾン・アレクサ)が搭載されており、最新ニュースを読み上げたり、ドライバーがカレンダーにアクセスできる他、一部の車載機能の制御や、自宅の照明の点灯、Alexa対応の他のデバイスとの接続などが可能だ。
また、スマートフォンの見た目や機能を、車内に設置された画面に表示して使うことができる「Apple CarPlay(アップル・カープレイ)」と「Android Auto(アンドロイド・オート)」も、新型レンジローバーの前席中央に備わる車載タッチスクリーンで利用できる。
画像クレジット:Land Rover
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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)