1日1杯カクテルが飲める会員制アプリのHoochが150万ドルを調達

Couple receiving drinks from a barman in a hotel bar

以前にも紹介したカクテルが飲める会員制アプリのHoochが150万ドルを調達した。これにより同社の合計調達金額は270万ドルとなる。今回のラウンドに参加した投資家はHoochにとって戦略的意味をもつものばかりであり、他にもRussell Simmons、Shaun White、Chris Burchなどの著名人も出資に参加している。

気分のリフレッシュに最適なこのアプリでは、月額9.99ドルで提携するバーやクラブなどで1日1杯の「無料」カクテルを楽しむことができる。これはWin-Winの関係だ:バーにとっては新しい顧客の獲得につながり、ユーザーにとっては行ったことのないバーやレストランなどを試してみる良い機会になる(しかも無料カクテルつきで)。Hoochは現在、ニューヨーク、ロサンゼルス、マイアミ、ダラス、オースティン、サンディエゴ、ニュージャージー、フェニックス、香港にある400店舗で利用可能だ。

Hoochは各地の有名なバーやクラブとの提携も進めている。Dream HotelsやロサンゼルスのThe London Hotel、ニューヨークのLadureeなどだ。

サービス業界やレストラン業界に新しく参入するアプリにとって、有名店舗とパートナシップを結ぶことは常に難しい課題となる。この業界では実店舗のレストランよりもアプリの方が入れ替わりが早い。そのような業界においてHoochが有名ブランドとの提携に成功したことで、アプリの信頼性を高めることにつながった。

Hoochは今回調達した資金をもとに、飲食店とユーザーの両方に使いやすいと感じてもらえるようにアプリの改良を進めていくと話している。その一つとして、Hoochは「タッチレスの権利確認機能」をリリースする予定だ。これにより、バーテンダーが直接携帯を触らなくても、そのユーザーが無料カクテルを受け取る権利があるかどうかを確認することができる。

また、同社はモバイル・ペイメント機能の開発にも取り組んでいる。これを導入すれば、無料カクテルに追加して食べ物などを注文をした場合でも、アプリ内で支払いが完結するようになる。取引ごとに代金の一部をHoochが受け取ることができれば、同社にとって利益となる機能となるかもしれない。

これらに加え、今回調達した資金を利用して地理的にもビジネスを拡大していく。来年の後半までには、アプリが利用可能な範囲を35都市にまで広げることを目指しており、まずはサンフランシスコ、シアトル、ヒューストンに進出予定となっている。これを実現するため、2017年初めにシリーズAでの資金調達を予定しており、ターゲット金額は400万ドルから500万ドルだと話している。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

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TechCrunch Japan

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