Cisimpleは、モバイルアプリケーションの構築と試験と展開過程を自動化してくれる。同社が今日(米国時間4/9)ベータを脱して、その新しい試験プラットホームを全デベロッパに公開する。同社はKickfolio’sのAPIを統合した初めての企業でもある。こちらの新進スタートアップは、iOSのアプリをHTML5を使ってブラウザに持ち込む。
継続的インテグレーション(continuous integration, CI)(日本語)はこのところ、市場としても活気づいてきた。そのきっかけは、試験のためのHerokuと呼ばれるCircleCIが、今年の初めにHerokuのファウンダたちとEric Riesから150万ドルのシード資金を獲得したことだ。Cisimpleは、混み合ってきた市場…Atlassian Bamboo、CloudBees(Java用)、Travis CIなどなど…で自己を差別化するために、モバイル専門で行くつもりだ。HostedCiもその路線だが、まだベータだ。
デベロッパが登録会員になると、CisimpleはそのデベロッパのGitHub上のリポジトリ(モバイル開発用)をスキャンする。デベロッパがそこにコードをアップロード/アップデートすると、Cisimpleが自動的にビルドを行い、試験をし、そのアプリをTestFlightや新進のHockeyAppなどのサービスから展開する。後者は、数週間前にCisimpleを統合したばかりだ。
AngelPadが支えるこのスタートアップがモバイルデベロッパ向けに初めてその扉を開いたのは、昨年の11月で、約1100名の初期ユーザがこのサービスを使った。“立ち上げ直後からたくさんのフィードバックをもらったので、モバイルデベロッパが抱える問題がよく分かった。うちなら、それらの問題解決のお手伝いができる、と確信した”、CEOのKevin Rohlingはそう語る。“彼らの悩みのタネの一つが試験だ。たしかにそれは(モバイルではとくに)現状では本当に難しい。モバイルデベロッパのためにアプリの試験を自動化するサービスは、これまでなかったから”。
Cisimpleのインフラストラクチャの上でデベロッパ企業は、アプリの複数の機種の上でのシミュレーション、ビルド、試験(#)、そして展開(デプロイ)ができる。iOSとAndroidをサポートしているが、(#)試験は今のところiOSのみだ。AndroidはOSやSDKの不統一という問題を抱えているが、しかし自動化の需要が多いのは今現在ではiOSだそうだ。だから、Android対応はとりあえず後回しとなった。
Cisimpleが試験に関して提供するのは、ログや合格/失敗の結果だけではない。たとえば、シミュレーションをやっているときのビデオなどもデベロッパに提供する。“試験を記録したビデオがあれば、細部検討をしやすい。しかしデベロッパが自分で試験をするときは、ビデオまではなかなか手が回らない”、とRohlingは指摘する。“うちは、アプリケーションに関するフィードバックを入手しやすいようにしたい。どこが変わったのか。どこがだめなのか。等々。また、問題をなるべく容易に見つけられるようにしたい。結局うちがやってるのは、モバイル開発をもっとアジャイルな工程にすることだ。今のモバイル開発は、デベロッパの手元ではちぐはぐになりがちだからね”、と彼は言う。
Kickfolioの統合も、注目に値する。開発〜試験の過程では、デベロッパがビルドの結果をブラウザ上で簡単に見られるからだ。だから試験が失敗すると、失敗したという結果だけでなく、ビルドの結果をブラウザ上でクリックしたりして、そのバグを実際に体験できる。Cismpleの顧客がここに載っているから、彼らのKickfolio版アプリを試してみるとよい。Cisimpleの有料ユーザは全員がKickfolioを利用できる。
Rohlingがベータ時のユーザ数などを明かさないのは、数字を公開するのは時期尚早と思っているからだが、ベータに参加したデベロッパの一部はすでに有料ユーザになっている。とくに多いのは、同社の料金体系の中のインディー向けプランだ。
今日(米国時間4/9)サインアップするデベロッパは2週間の無料試用ができる。あるいは、一(ひと)月に30ビルドまでという無料プランもある。有料プランはインディーの月額19ドル、スタートアップの99ドル、大企業の999ドルなどだ。サインアップはここで。
〔継続的インテグレーションの実践参考書の例。〕
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))