2020年サブスクアプリのトップ100は34%増の約1.4兆円に、総支出に占めるシェアは変わらず

アプリは2020年に記録的なダウンロード数と消費者支出を記録し、世界的には1110億ドル(約11兆6000億円)から1120億ドル(約11兆7000億円)程度に達すると予測されている。しかし、アナリティクスプラットフォームSensor Towerの新しいレポートによると、その支出のうち成長している部分はサブスクリプション料金であることが示されている。2020年、世界のサブスクリプションアプリの売上高トップ100(ゲームを除く)による収益は、2019年の97億ドル(約1兆160億円)から上昇し、前年比34%増の130億ドル(約1兆3617億円)だった。

App Storeは歴史的に消費者支出でPlay Storeを上回ってきたことを考えると、驚くことではないが、前者がこのサブスクリプション収益のかなりの部分を占めている。2020年には、世界のサブスクリプションアプリのトップ100がApp Storeで103億ドル(約1兆788億円)を生み出し、2019年比32%増となったのに対し、Google Playでは27億ドル(約2828億円)で、2019年の19億ドル(約1990億円)から42%増となっている。

画像クレジット:Sensor Tower

サブスクリプション収益の成長がピークを迎えようとしている兆しもいくつかある。伸びが鈍化し、または横ばいになっている部分は、Netflix(ネットフリックス)やTinder(ティンダー)のような大手アプリが、アプリストアのアプリ内課金要件を回避する方法を見つけたことに起因している可能性がある。

世界的に見ると、トップ100アプリからのサブスクリプション収益は、2020年に消費者がアプリ内購入に費やした総計1,110億ドル弱(約11兆6000億円)の約11.7%であり、これは2019年に見られたシェアとほぼ同じだ。

そして2020年の第4四半期には、世界の有料アプリトップ100のうち86がサブスクリプションを提供しており、2019年の第4四半期にサブスクリプションを提供していた89から減少している。

さらに、米国におけるサブスクリプションアプリの収益の伸びは、現在、世界的なトレンドにリードされている。

サブスクリプションアプリの収益は2020年には59億ドル(約6179億円)近くに達するとのことで、前年比26%増となったものの、世界的に見たときの34%よりも伸びが鈍化している。

画像クレジット:Sensor Tower

さらに、2020年の米国におけるサブスクリプションアプリの支出は、2019年よりも消費者の総支出に占める割合が小さくなっていることが報告書で明らかになった。2020年には、トップ100のサブスクリプションアプリからの定期課金の支払いは、米国の消費者がアプリ内購入に費やした330億ドル(約3兆4560億円)のうち17.6%を占め、2019年の21%のシェアから減少した。

そして、2020年第4四半期の米国の収益トップ100アプリのうち、91がサブスクリプションベースのアプリで、前年同期の93本から減少している。

米国でのサブスクリプション系アプリのトップは、App StoreとGoogle Playでは違っていた。前者ではYouTube(ユーチューブ)がこのカテゴリーの収益トップで、Google PayユーザーはGoogle One(Googleのクラウドストレージ製品)に一番多く費やしていた。一方、App Storeの2位はTinderで、Google Playの2位はDisney+となった。

画像クレジット:Sensor Tower

両ストア全体でのトップ10は、YouTube、Disney+、Tinder、Pandora(パンドラ)、Google One、Twitch(ツイッチ)、Bumble(バンブル)、HBO Max、Hulu(フールー)、ESPNだった。これらトップの稼ぎ手は、消費者はストリーミングサービスのようなエンターテイメントのためにサブスクリプションで支払うことはいとわないと示しているが、他のカテゴリがトップチャートに入ることはより困難だとわかる。しかし、出会い系アプリは引き続き例外となっている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:サブスクリプション

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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